保育士のひーくん先生。

31 ページ31

#









「…おはよ」


深「お前、昨日照になんかした？！」


「…………」


深「おうおう、あなたもダンマリですか。2人揃って仲良く沈黙を貫いちゃう気ですか！ええ？！」








社員「深澤さん、ちょっと静かにして下さい！電話中です！」
　








深「…さーせぇーん。」








あの後、自分でも怒ってるのか悲しいのかよく分からない感情の中、泣きそうになるのをこらえて皆の居る方へと戻った。


目黒君は心配そうにしてたけど、あえて何も聞かずにいてくれた。


帰りも気を遣ってくれたのか、違う話をいっぱいしてくれて…その優しさにまた涙が出そうになった。


あー、今日は絶対ふっかに質問攻めくらうだろうなぁって
朝からふっかの反応が怖かったけど、案の定…ね。





私だってあんな事、言いたくなかったよ。







深「お前さ、知ってる？帰りの車ん中まじで最っ悪だったかんね？もう地獄よ？照に何があったのか聞いても答えねぇし、終いにゃハザード焚いてうるせぇから降りろとか真顔で言われっし。

え、俺なんかした？！」






社員「深澤さん？！」






深「さぁーせぇーん！！」







私からしたら、ひーくんが何であんなに怒ってたのか分からないし、…怒りたいのは私の方だし。


まさか帰りの時まで引きずってたとは思ってなかったけど、あの後のひーくんとは一度も目が合わなかった。






でもやっぱり思ったのは、悲しいとか辛いとか、苦しいなんてそんな感情が生まれたとしても。


結局何だかんだ好きな事には変わりなくて。


悔しいけど、どうしたって私はひーくんのことが大好きなんだ。


笑ってるひーくんも、怒ってるひーくんも、全部全部好き。









「…ふっか。」


深「…ん？」


「私、ひーくんが好き。」


深「おぉ、知ってるけど…？」


「………」


深「…え？」


「…それだけ。」


深「はぁ？！」








部長「深澤ぁぁあ！！」


深「はいぃぃい！！！！！」








#

32 Tatsuya side→←30

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す