保育士のひーくん先生。

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ひーくんはグリルの前でうちわを持って風を送っていたところだった。


その時の腕に浮かぶ筋だとか、汗を腕で拭う姿とか…そんなさり気ない姿もやっぱりかっこよくて、余計に私を緊張させた。


保育園では先生だけど、今目の前にいるひーくんは男を感じさせる要素しかないから…


色んな意味で心拍数が上がってなかなか声が出ない。


でも、このままなんて絶対…









「あ、…あの」





女「ねぇねぇ照くん！これもう食べれる？」


照「ん？…あぁ、こっちはまだ焼けてない。こっちならいいよ」


女「えー、ミアこれ食べれなーい。」


照「お前好き嫌いすんなよ。笑」


女「ふふ、だって嫌いなんだも〜ん」






「……………」







せっかく、話しかけようと思ったのに。




距離が近い2人が笑い合ってる姿を見て、胸が張り裂けそうな気持ちになった。




苦しくて、悲しくて、悔しい。




声をちゃんとかけられなかった自分も、お似合いだなって感じちゃった自分も、あの子が私だったら良かったのにって思った自分も。




全部全部、こんな感情なんてなくなればいいのにっ…









蓮「Aさん、これ食べます？」


「…………、」


蓮「…ねぇねぇ、Aさん。…ちょっと俺に合わせてくれる？」


「………、？」






目黒君がお皿に乗せたお肉を持って話しかけてくれたけど、正直今の私には反応出来る気力すらなかった。


そんなかわいくもない自分に、目黒君は優しく笑いかけながら、よく分からない事を言い出した。









蓮「Aちゃん、はいお肉！」


「…え？」





その途端さっきよりも大きな声とテンションで、(俺に合わせて)と目で訴えながら、お肉を掴んだお箸を私の口の前まで持ってきた。





蓮「ふふ、はーやーく！」


「え、あ…うん、」





少し戸惑いつつも、口を開けた瞬間だった。









「っ、え？…ちょっ…」







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