保育士のひーくん先生。

36 ページ36

#









照「…なんか、言ってくれると嬉しい、です」


「あ…うん、はい…私でよければ…」









照「…まじ？やっべ、超嬉しい。ふふ」








何となくお互い気まづい雰囲気があったから、タメ口と敬語が混ざったりしてたけど…


ひーくんは私の返事に安心したかのように、強張った顔が一瞬で笑顔へと変わった。


私の大好きな笑顔だ。








照「…あ、車あっちに停めてあるから。」


「車でどこか行くの？」


照「うん」


「…どこ行くの？」


照「それは秘密。ふふ」








ひーくんの車に乗るのは2回目。


前ははるあも居たし夕方とか夜だったから、明るい時にするドライブはまた違った景色が見えて


本当にひーくんとデートしてるんだって、意識したらまた余計にドキドキした。





.





途中、サービスエリアに寄って軽食やドリンクなんかも買って、この間の事が嘘のように他愛ない会話を沢山した。


無意識だったけど、運転中のひーくんへ。


ひーくんが買ったエナジードリンクを開けてストローをさした。








照「ふふ、カンにストローさすの？」


「え？あ…うん。その方が飲みやすいかなって…」


照「ストロー動いちゃうじゃん」


「………はい、」


照「…ありがと、ふふ」







指でストローを固定しながらひーくんの口元へ持っていけば、一瞬戸惑いつつも飲んでくれた。


こういうさり気ない事も、私にとっては特別な時間。


あんまり深く考えずにやったけど、少し恥ずかしそうに笑ったひーくんを見て、私まで恥ずかしくなった。








「わ、富士山！…ねぇ、あれ富士山？」


照「うん、雪がないからただの山に見えるけどね。笑」


「へぇ〜、でも本当おっきい。雪があったらまた全然違うんだろうなぁ」


照「…またちょっと寒くなったらさ、はるちゃんも連れて3人で来ようよ」


「…いいの？」


照「いいっていうか…俺が一緒に来たい」








今日は2人だけど、ちゃんとはるあの事も考えてくれてるんだなって思ったら、嬉しくて胸がいっぱいになった。




　

一瞬で変わる優しい笑顔だったり、少し照れた表情だったり、かと思えば真剣な眼差しに変わったり…。


そんないろんな表情をみせてくれるひーくんの横顔を見ながら、


これからも側でずっと見ていたい。


って、強くそう思った。









#

37→←35

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す