繋ぐ (ページ10)

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9.ごめんね… ページ10

---A side---

計画通り、個人の仕事が終わり次の仕事場まで移動する前

マ：「ちょっと僕、準備してきますから。少し待っててくださいね」

そう言って、俺のマネージャー、斎藤君は慌ただしく楽屋を出ていこうとする

「あ、斎藤君、」

思わず、その後ろ姿に呼び掛けてしまう

マ：「はい？なんか飲み物とか買ってきますか？」

「いや、うん、あの…」

歯切れの悪い俺をん？と不思議そうに見つめる斎藤君

その顔を見て、知らずのうちに胸が熱くなって、こみあげてくるものを必死に抑えた

「あの、いつもありがとね。ほんとに、感謝してる…」

斎藤君は少し驚いた顔をしたけど、すぐに顔を赤らめて挙動不審な動きをしだした

マ：「や、何を急に言い出すんですか！僕は嵐の相葉さんのマネージャーなんですから、当然のことをしてるまでで、あ、時間やばい、待っててくださいね～！」

逃げるように走り去っていく斎藤君に、思わず吹き出す

でも、これから彼に降り注ぐであろう数々の事柄を思うと

胸が張り裂けそうになって、申し訳なさがこみあげる

また熱くなる目頭を冷まそうと、頬を両手でパパンと叩いた

「ごめんね…」

でも…

俺は、行かなくちゃいけない

「くろくん…」

？：「はい。」

呼びかけに爽やかな返事をし、腰かけていた椅子から立ち上がったくろくん

「ほんとに、この時がきたんだね。俺…」

？：「お気持ち、お察しします。」

黙り込んだ俺に温かいまなざしが向けられた

その瞬間、心の中で何かが吹っ切れた

「いこう」

？：「お仲間さんには、いいので？」

「うん、いいんだ。」

？：「…わかりました。参りましょう」

歩き出したくろくんの後に続いて

俺は、楽屋を後にした