死の見える瞳【wrwrd!】 (ページ7)

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_______筈だったのだが。

……此処は何処だ…？

ベット…で、寝ていたのか…。

辺りをぐるりと見渡すが知らない部屋だった。
身体にかかる布団を少しずらして上半身を起こし、状況を再確認する。

傷も前程痛みはない、それどころか治療…されている。
頭やら腕やらを中心に包帯が丁寧に巻いてあった。

すると、ドアの方から音が聞こえ視線を移すと目元にレースマスクを付けた白銀の髪の女が入って来た。

『目が覚めたんですね』

そういうと女は両手に持っていたものを小さな棚の上に置き、傍まで歩いてきた。

『初めまして、私はAといいます。
　お粥を持って参りましたので、食べれるようでしたら召し上がって下さい。』

丁寧な言葉遣いで軽い自己紹介を済ませた目の前の彼女は口元が緩やかに弧を描く。

gr「あ…ああ、ありがとう。私は……アドラーだ。」

最近は俺の名前を知る者も多くなってきた。
ここは言わないでおいたほうが得策かもしれん。

『ではアドラーさんとお呼びしても良いですか？』

gr「いいゾ」

戸惑いながらも尋ねてくる彼女の言葉を肯定すると、ふわりとした雰囲気を纏ったのが分かった。

『ありがとうございます。腕の痛みについてはまた激しく痛み出した場合、この痛み止めを飲むようにしてください。ここに置いておきますね。』

彼女の持っていた紙袋はベットの近くの小さな棚の上に置かれた。
その薬とこの丁寧な対応を見て、治療をしてくれたのが彼女だということを理解した。

gr「…君が私の傷を手当てしてくれたのか…。」

その言葉に新しい包帯を触っていた手を止め、こちらに顔を向けた。

『はい、私が治療させて頂きました。上半身を中心に軽い切り傷と擦り傷があり、左前腕部には銃創…銃弾が貫通せず残っていましたので寝ている間、取り除いておきました。』

と怪我の詳細を説明した後、彼女は作業を再開した。

改めて彼女を見る。黒いパンツに白いブラウス、青いリボンを付けて黒いパンプスを履いている。
服から覗く腕は雪のように白く華奢だった。

『取り敢えず、食事を終えてから包帯を取り換えましょう。』

道具の準備を終えて、ベットの近くの棚の上から備え付けられていた机にお粥が置かれた。
彼女はベット脇に置かれたアンティーク調の木の椅子に腰を掛けた。

『どうぞ、無理ない程度にお召し上がり下さい。』

そう彼女は口元に三日月を浮かべた。