33話 ページ35
今朝方、シンイチの家に行った。
やはり、彼はいなかった。
出ていったのだろう。
昨日のうちに。
「……聞きたいことが、あったのに」
そう言って、ソファに座る。
聞きたいこととは。
「どうして……あたしが、キャロルだってことに、気が付いてたのか」
なにも言ってなかったはず。
バレるような行動でもしたのかしら。
見に覚えが無いけれど。
「……ごめん」
アカイ。
別に、貴方を責めたかった訳じゃないの。
どうすればいいか、わからなかっただけ。
家族が殺されて、あたしはどの反応をすればいいのか、そんな焦りで。
でも、
ほんとは責めたかったのかもね。
都合のいい言い訳ばかり、飽きないわね、あたし。
それでも……アカイ。
あたし、
まだ、
あなたが、好きなのよ?
__……なんて思っても、その言葉は一生彼に届かないでしょう。
◆
NOside
『どう?見つかった?』
「ええ。すぐそばに、いましたよ」
高層ビルの裏路地で、男が、女と電話をしていた。
『なら、すぐ連れてきなさい。ジンが、もうお怒りなんだから』
「ふふ。心配してくれてるんですか?」
『早くしなさい』
そして、言う。
「わかりましたよ、___ベルモット」
『任せたわよ、___バーボン』
酒のコードネームを。
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暁の雨 - Aliceさん» ありがとうございます! (2017年6月26日 18時) (レス) id: e8dddc3b1a (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 続編おめでとうございます (2017年6月24日 9時) (レス) id: 1a1e66043f (このIDを非表示/違反報告)
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