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本編22話byアイル ページ30

厳しく言い放った姉さんを黙って見つめていた旦那が、ゆっくりと口を開いた。

「…童子」
「あい?」
「お前は何故、そう思う?何故先代が成し遂げなかったことを、次世代が出来ると思った?」

旦那の問いかけに、ポリポリと頭をかく。

「…ん、俺もよくわかんねーケド。あのさ、俺たちは、全然表に感傷しなかった。放っておいただろ?

そんで、どんどん世間も変わってってさ。
今じゃ妖怪やら怪異やらなんて、噂の効力も弱くなっちまってる。

そろそろ妖怪を隔離して国を成り立てていくのは無理になってくる頃だと思ったんだ。

次の長となるのは、俺とさして年は変わらないが、心は育ってない小娘さ、姉さんの言う通りな。

だが…なにか感じるところがあるのさ。理屈じゃねんだ。
ま、いい暇つぶしにはなるんじゃねえかとさ。

潰れたんならそれでいいさ。関わらないよ。俺たちはいつもそうしてきてだだろう?」

俺が言うと、姉さんと旦那は静かに目を伏せる。

「………関わるべきではないと、俺は思う」

と、旦那がポツリと呟く。

あれ(璃瑠)はまだ子供だ。歳は長いかもしれんがね。『目覚め』が遅すぎた。
人間と妖怪の共存がどれほどのモノか、理解していない。

あれは、血も汚れも知らぬ子だ。

簡単に心は壊れるし、仲間を犠牲にするなんて出来っこないであろう。
だからといって、なんの犠牲もなしに改革など出来ぬ。

軽々しく出来るものではないのは、お前が1番よくしっているであろう、童子。
反対する輩も出てくるはずだ。

そんな時、我等は味方をすることが出来るのか?
我等は各々を守らなければならない。
昔とは、違う。

お前だって、無理だったんだ。
あの子を、守れなかっただろ」

旦那の言葉が、強くのしかかる。

あの子。

それは、はるか昔、唯一俺が愛したヒト。

美しく綺麗な、人だった。


「…多数決、だもんな。仕方ねえ。
俺たちは、この事には感傷しねえ。だが、」

俺は1度言葉を区切り、見回す。

「見守ることは、出来るだろ。頼む。」

俺がそう言うと、仕方なさそうに息をついた二人が見えた。



「…あの子()がいるからであろうな」



そんな姉さんの呟きは、俺の耳には入らなかった。

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桜羅@雪松(プロフ) - 南さん» 本編始めちゃいましたけど、途中カラでよければ設定書いて下さい! (2017年9月8日 17時) (レス) id: 4e603903c5 (このIDを非表示/違反報告)
星月 - すいません、参加したかったんですけど、無理そうでした!!自分の作品で手一杯なの忘れてました(汗)すいません。 (2017年9月6日 19時) (レス) id: c3425be62a (このIDを非表示/違反報告)
桜羅@雪松(プロフ) - 大丈夫ですよ!一緒に頑張りましょう!! (2017年8月31日 20時) (レス) id: 4e603903c5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 桜羅@雪松さん» ごめんナサイ・゜・(つД`)・゜・スマホ没取されてて妹のケータイから来ました!スマホ返してもらってから更新がんばりますので頑張って下さい!! (2017年8月31日 20時) (レス) id: d49b5a64c3 (このIDを非表示/違反報告)
桜羅@雪松(プロフ) - こんなさん» 参加しますか?← (2017年8月29日 12時) (レス) id: 4e603903c5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪玉の中に咲いた桜 x他5人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年8月25日 21時

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