【合作】彩は愛され恐怖症

本編15話by瀬夢 ページ22

｢〜♪｣

必死にいつもの私を演じようとしても、どうにも出来ない。

いつもは、雅からも、璃瑠からも感じない妖気。

けど…さっき、若武達と口論してる璃瑠からは溢れんばかりの妖気が流れ出てて。

質も、量も、そのへんの妖怪とは訳が違う。

あれは、白九尾の妖力。

なんで、璃瑠なんだろうか。

神様はなんで璃瑠を彩みたいな普通の女の子にしてくれなかったのか。

その事ばかりが頭の中をずっと廻ってて。

『これ以上考えない方がいい』

と分かってても考えてしまう。

言い伝えだと、白九尾は私の先祖で誰一人として倒せ(殺せ)なかった妖怪。

それを歴代最高の戦闘力のある私が倒せ(殺せ)って親には言われてきた…。

いや、遺言か。

けど、けど！

｢無理だよ…私には…出来ない…！｣

璃瑠を『倒す(殺す)』位なら私は…！

それに、相手は何万年と生きている大妖怪。

それを自身の能力すら開花させて無い私に倒せなんて、出来るはずがない。

いままで何人もの妖怪の能力を奪ってきたけど、それはただ、あの子達を成仏させる為。

誰一人殺したことの無い私には…やっぱ。

『出来やしないんだ(出来るわけがない)』

それにきっと、トップを護るためなら妖怪達は私を殺すだろう。

｢もう、寝よう。帰ってきた時に璃瑠に聞けばいい。それに…雅達にも。｣

そうよ、聞けばいい。

違ったらただの思い過ごしなんだから！

てか、思い違いだろうと思い違いじゃなかろうと、私は＿＿＿！

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