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本編14話by1アイル ページ21

「あーねーさん!」

俺はブンブンと手を振り回し、姉さんのとこに降り立つ。

「その姉さん(あねさん)って言い方やめてくれんかの、御主は我と同い年…否、寧ろ上じゃろう。
この娘にもお姉さんとか呼ばれたんじゃが。」

姉さんは眠っている璃瑠に目線を落とす。

「璃瑠は実際お前より年下じゃん。まぁ、3日の差だけどさぁ。あ、じゃあオバサン?」

「更に老けてるわボケ」

「だぁってさぁ、姉さん以外に呼びようがねえじゃん。狐等も姉さんって呼んでんだろ?じゃあなに?姉貴?」

「もっと嫌だわ」

「わっがままだなー。」

はあ、とため息をつき、眠る璃瑠の頭を撫でる。

「御主…その娘に恋でもしているのか?」

「そんなんじゃあねえよ。大体、もう恋なんてしたくないさ。」

「まだ…引きずっているのか?あの時のことを。だからあの彩という娘に…」

そう言い掛けた姉さんの言葉を遮り、璃瑠から離れる。

「…違えよ。ただ…
“あの時の子”も愛されることに恐怖してたなぁってさ。」

その呟きは、殆ど独り言だった。

「…それが…引きずっていると言うことだ…。
こちらの気も知らないで…」

そんな姉さんの呟きは、俺の耳に届くことはなかった。

「なにか言ったか?」

「なんでもないわい。それより、闇音の姫さん持ち帰ってくれんかの。もう終わったけん。」

「…どうだった?」

「やっぱり“あれ”だったわい。
兎に角、闇音の姫さんがこれを把握しているかと言うと、まずしてないじゃろうな。
この事は本人がなんとかしなければならん。
儂ら引退した老いぼれは、ただ見守ることしかできん。…あの時のようにな。」

あの時。

その時のことを思い出し、ギリ、と手を握りしめる。

もう二度と、あんな思いはしたくないんだ。

「人間界に連れていけ。その後で瓢箪酒をご馳走になるわい。」

儚げに笑った姉さんに違和感を覚えながら、俺は璃瑠をかつぎ、トンネルを抜けた。

「璃瑠様…!」

留雫が安心したようなため息を漏らす。
こいつもなあ、妖力フルだからなあ。

ちと鼻がいいやつが近づいたら一発でバレちまうぜ。

ま、陽向もそこまで強いわけでもないからまだバレてないけど…一応呪符かけといてやるか、よいしょっと。

あー、俺優しー。

ってそういうことじゃなくて。

「雅…璃瑠様は…」
「眠ってるだけ。当分情緒不安定になるこたねえよ。じゃ、俺は用事あっから。」

留雫の引き止める声を無視し、俺は留雫の家をあとにした。

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桜羅@雪松(プロフ) - 南さん» 本編始めちゃいましたけど、途中カラでよければ設定書いて下さい! (2017年9月8日 17時) (レス) id: 4e603903c5 (このIDを非表示/違反報告)
星月 - すいません、参加したかったんですけど、無理そうでした!!自分の作品で手一杯なの忘れてました(汗)すいません。 (2017年9月6日 19時) (レス) id: c3425be62a (このIDを非表示/違反報告)
桜羅@雪松(プロフ) - 大丈夫ですよ!一緒に頑張りましょう!! (2017年8月31日 20時) (レス) id: 4e603903c5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 桜羅@雪松さん» ごめんナサイ・゜・(つД`)・゜・スマホ没取されてて妹のケータイから来ました!スマホ返してもらってから更新がんばりますので頑張って下さい!! (2017年8月31日 20時) (レス) id: d49b5a64c3 (このIDを非表示/違反報告)
桜羅@雪松(プロフ) - こんなさん» 参加しますか?← (2017年8月29日 12時) (レス) id: 4e603903c5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪玉の中に咲いた桜 x他5人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年8月25日 21時

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