ママが帰ってきた！？

NO.25 ページ25

ーーーFsideーーー




なんだよそれ.....




そんなのありかよ.....




俺にだけ見えない？




俺にだけ触れられない？







こんな悪夢みたいな現実

信じたくないんだよ




こんな冗談.....笑えねーって.....







太｢玉ごめん.....、


陽月のこと見ててもらっていい？｣





玉｢ぁ.....ぅん｣






あの空間にいた


玉、サエ、陽月.....もちろん見えないA、


誰とも目を合わせることなく


部屋を出た









とにかく一人になりたくて




自分にだけ見えないなんて
信じたくなくて



全てが嘘であって欲しいのに




Aがいるって現実は消えて欲しくなくて.....






矛盾でごちゃごちゃになった頭をかかえて





一人になれる場所を探した









結局

どこへ行ったらいいのかわからなくて




辿り着いた場所は




何の思い出もない

海の見える公園だった









そっと置かれていた白いベンチに座ると


思い出す.....Aのお気に入りの場所




病院の中庭にあった白いベンチ






あのベンチに座って


入院中だった.....なんだったっけ

.....あ、ルナちゃんと楽しそうに話すAの顔が


鮮明に蘇ってくる






思い出のない場所にいても

結局思い出してしまう君のこと.....







A.........









｢太ちゃん！！｣





俺を呼ぶ声に


俯いた顔を上げると息を切らしたサエの姿







太｢サエ.....どした..？｣




サエ｢はぁ、はぁ、っ


玉ちゃんが.....太ちゃんのこと心配だから
追いかけてって.....

ねぇ太ちゃん.....大丈夫？｣




玉のことだから

きっと俺を一人にすることが心配だっんだろ




太｢.........なぁ.....サエ｣





サエ｢.....ん？｣


ゆっくり俺の隣に座るサエが

俺の顔を心配そうに見つめる.....




太｢なんでAは死んだんだろーな.....



陽月ってでっかい責任置いて....さ.....｣




サエ｢.............ｯ｣





太｢あいつさ、ｯ.....もしかしたら


俺の事許してなかったのかな.....ｯ




だからｯｯ.......俺にだけｯ.....｣





胸が熱い.....


鼻の奥がツンとして


喉詰まってうまく言葉が出てこない





サエ｢違うよｯ！

Aちゃんが1番会いたかったのは

太ちゃんだと思うょ！？


そんな風に言ったら.....ダメだょ....｣

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