ママが帰ってきた！？

No.2 ページ2

ーーーF sideーーー



太｢ひー！そろそろ出かけるけど

準備できたのー？｣




バタバタバタっと


元気いっぱいの足音と共に登場した

服の前後ろが逆の女の子




太｢ちょ、ひー服逆なんですけどー｣



陽｢パパやってー！｣



太｢はぁーまったく、おいで｣



俺の胸に飛び込んでくる陽月の服を

一度ぬがして正常に戻す







朝はいっつもこんな感じに

慌ただしく始まる





太｢さ、ママに行ってきますしよ？｣



陽｢はぁーいっ！｣


右手をピンと伸ばして返事をする陽月





毎日の日課



Aの仏壇の前で

陽月と２人、手を合わせて

【行ってきます】






太｢よし、行くか！｣









車の中


後ろのチャイルドシートに
大人しくのっている陽月は

玉に買ってもらった
お気に入りの
ひよこさんのぬいぐるみを抱きしめてる


そんな姿をバックミラーで確認して

車を発進させた







陽｢パパー今日ゆーたいる？｣



太｢あ？玉？いるよー｣



陽｢んふふふ｣



嬉しそうな笑い声を漏らす





陽月は物心がついてきた頃から

玉がお気に入りだ



いや、たぶん好きだ 笑








玉には慣れない子育てを

初めからずっと支えてくれて

本当に....感想してる





陽月を
自分の子供のように

大事に....大事に、してくれるんだ




激甘だけど 笑








俺はAが居なくなってから

どうやって陽月と暮らしていくのかを

考えて....考えて....不安で....




でも北山が言った....


｢もっと単純なことだろ？



ひーちゃんは藤ヶ谷が居なきゃ
生きていけない




俺らだって藤ヶ谷なしじゃ
やっていけない



だったら

俺ら皆で大事にしていこーぜ？｣



この言葉に


....俺は

どれだけ救われたのか





それから

仕事場に陽月を連れて行ってる





スタッフのみなさんも


もちろんメンバーも


嫌な顔一つせずに


陽月を大切にしてくれてる









俺は....



恵まれすぎてる









でもやっぱり





ときどき







なんで





Aはいないのかって....









苦しくなる

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