16話 木 ページ16
「ちょっと散歩に行ってくる」
そう言って出ていってからしばらく経った
白いコートと薄い水色のチェックのマフラーを身にまとい、雪の上を歩いてゆく
正直言って私のは必要ないのにね
「見てるこっちが寒い」
とリーマスに言われたため渋々承知したのだ
周りは真っ白な木
ここらへんに住んでいる人は少い
ツリーにするためにか、切られている木があった
寂しく切り株だけがポツンと残されていた
かつては立派な木がたっていたのだろう、と空を見上げる
そこには天まで届きそうなほどまだなごりある木の命が見える
植物にだって感情がある
月が綺麗だなって思うことだってあるのよ
その感情は本当に
汚れのない純粋な感情…とても綺麗なの
「いつまでそこにいるんだい
もうお昼だよ」
気づけば隣に立ち、同じように上を見上げているリーマス
その腕にはソフィーが乗っていた
「帰ろっか」
「うん」
ゆっくりとまた歩き出す
「どう？学校楽しい？」
「うん、すごい楽しいよ
そうだ、ハリーなんだけどさ」
ハリーという単語をだした瞬間にリーマスが勢いよく振り向いた
「どこの寮だった！？」
「グリフィンドール。私と一緒」
少し笑いながら言うとリーマスは嬉しそうに微笑んだ
「お父さんみたいに、よく規則を破ってるよ
ジョージ達みたいに悪戯はしてないけどさ」
そうか、と懐かしく言うリーマス
リーマスが先生としてホグワーツに来たらいいのにな
なんて思いながら進んでいった
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作者名：ミア | 作成日時：2017年3月24日 9時
