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「自分が助かれば、他人がどうなっても構わない…イカレてるねぇ」
イカレてるのはお前じゃないか
そう思ったとしても、口に出すことは無い。柊の言うことに、違うとも言い切れない
「どうしてそんな、貧しい考えが生まれるのか」
ドンッ、ドンッ
拳で、教卓を叩く
「
要は中身が空っぽなんだよ!!!」
叫んだ言葉は、波紋のように広がって
エコーがかかったように何度も再生される
「お前達は、さっきの茅野を見ても、何も思わなかったのか…?
景山の死から、目を背けていた自分を奮い立たせて、向き合おうとした茅野を見ても!!
何も思わなかったのか?」
問いかけるよう言った柊の、荒れた呼吸だけが聞こえる
現実から目を背けようとする頭が、ぐいぐいと引っ張られて、無理やり前に向けられるような感覚
"先生"の言葉が、痛みと重さになってのしかかってくる
「過去の自分が!今の自分を救う!!」
ぐらぐらと揺れていたAの瞳が、虚ろな色を映す
「だから、過去から逃げてるお前も」
甲斐を指さし、
「お前も」
諏訪を指さし、
「お前も」
宇佐美を指さし、
「お前も」
Aを指さす
「極めて幼稚なガキのまま、成長が止まってるってわけだ!!
そんな奴らが、一体何から卒業するって言うんだよ!?」
ガタガタッ
蹴られた机が、音を立てる
「いいか!聞け!!
何故!?景山澪奈は、死ななければならなかったのか!?」
_現実に、引き戻されていく
唾を散らして、喉を枯らしながら叫ぶ柊の頬には、滴が伝っていた
「これから、彼女の生き様を通して…お前らの考えがいかに脆く、弱いものなのか
思い知らせてやる」
ギラギラと燃える信念
こんな柊の表情、今まで見たことがなかった
「──ふざけんじゃねェ」
誰かが発した声
「ふざっけんじゃねェ!!」
泣きそうな顔で、怒鳴りながら中尾は柊に掴みかかった
前のように蹴り倒すこともなく、柊は、彼の胸ぐらを掴み返す
ブレザーの襟を強く握り、訴えるように
「そして
変わるんだ」
柊の脳裏に、涙を流す彼女が映る
心をナイフでズタズタにされた、彼女が
「悪意に塗れたナイフで、汚れなき弱者を傷つけないように
──変わるんだよ!」
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ミア(プロフ) - あんず飴さん» うわああめちゃくちゃ返信遅くなってしまったほんっっっとに申し訳ないです!!!コメントありがとうございます!!!! (2019年8月31日 20時) (レス) id: 8a7216d57f (このIDを非表示/違反報告)
あんず飴 - 柊先生落ちがいいです!! (2019年4月21日 18時) (レス) id: e9a1259486 (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - イツカさん» コメントありがとうございます!何気に柊先生リクエストは初めでです笑更新頑張ります!! (2019年3月10日 16時) (レス) id: 8a7216d57f (このIDを非表示/違反報告)
イツカ(プロフ) - 柊先生がいいです!更新頑張ってください! (2019年3月10日 16時) (レス) id: b93db8aef6 (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - 美桜さん» コメントありがとうございます!真壁くんイケメンですよねまじ惚れます笑 (2019年3月9日 21時) (レス) id: 8a7216d57f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミア | 作成日時:2019年1月7日 0時