29話 やっと会えた(無一郎side) ページ35
僕は時透無一郎。前世、鬼殺隊の霞柱として一生を遂げた。
今世は平和だ。兄さんも、両親も生きてる。三人とも記憶はないけど、それで良い。ただ幸せに生きられたら、それで....
記憶を取り戻したのが前世と同じ14歳で、その頃周りにいた人はだいたい前世の知り合いだった。
びっくりだよね、炭治郎が先輩になってて鬼舞辻無惨が教頭で。同じ柱達だった人は教師になってたりして。
でも、僕が知るなかでたった一人だけ。ここにはいない人がいた。
菅野A、ヘラヘラしたアホで顔も良くない。胸もなければ才能があるわけでもなかった。
でも、Aは強かった。人を守りたいって言って必死で鍛練して、泣きながらも最後まで戦い抜いて。鴉がAが死んだと伝えたときは、目眩がした。
バカの癖に、僕よりも弱い癖に、
「なんで、死んだの｣
記憶を取り戻して一番最初に思ったのは、それだった。
前世僕はなかなか素直になれなくて、刀鍛冶の後もAには強い態度をとってた。まだ時間はあるって、まだ大丈夫だって。
そんな、ありもしない未来を考えて、それに甘えて。
だからだろうね。
伝えたいことを口に出せず、守りたかったのに死なせてしまった。それに加え、告白も宇髄さんに先を越されたし。僕は、駄目なやつだった。
だけど今年転校生が来るって聞いてさ、もしかしてって思ってたんだ。
先生に聞いても学年までは教えてもらえなかったけど、それでも良かった。ただ、夢が見たかった。君にもう一度会えるって夢が。
『......戻ろ』
だからだと思う。
その姿を見つけた時、叫びそうになった。涙が溢れそうになった。
行かないでって、僕の側にいてって。どこにも、もう二度といなくなったりしないでって。
でも、今世では僕達は初対面だから。そんなこと言ったら引かれるに決まってる、それで嫌われたりしたら僕もう生きていけないし。
だから僕は君に、
「ねえ、中等部の人に用があったんじゃないの？｣
って。そう話しかけたんだ。
少し話を聞いてみたら、Aは人を訪ねて来たんだって。誰なんだろう、その人。僕、また出遅れたのかな。
それじゃあもしかして、そのお弁当はその人にってこと？一緒に食べるつもりだったの？
知りたいよ、ねえA、今世こそは＿＿＿＿＿＿＿＿＿
絶対、君を僕のものにしてみせるから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1242人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セブンス店ミカン(プロフ) - 廣岡唯さん» ありがとうございます…更新遅すぎて亀どころかもはや石なんですけど（？）頑張ります… (2022年11月15日 23時) (
レス) id: 6c6c2cdc4b (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい… (2022年11月2日 14時) (レス) @page27 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - ミクさん» おー！コメありがとうございます！リクエストですね.....！できるかどうかわからないですが、頑張ります！！ (2021年6月13日 13時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
ミク - 私は、かまぼこ隊を前世ありにして欲しい！ (2021年6月13日 10時) (レス) id: c0f1b840e0 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 点P撲滅隊リーダー兼隊長兼事の発端者。さん» お、おお、お帰りなさい....？とりあえず一周読んでくださったんですね！！あざす！！！ログイン前から読んでいただいていたとは.....嬉しいです！更新ゲロ遅なんですがちびちび頑張っていきたいと思います！！ありがとうございました！！！！(大声) (2021年5月4日 18時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：セブンス・エイカン x他2人 | 作成日時：2019年11月16日 22時
