【鬼滅の刃】偶然、または必然か・参【ハンターハンター】

91話　おかえり ページ6

『錆兎...真菰？やっぱ、いない？』



岩の側まで言って呼び掛けてみるも、返事はない

やはり、もう会うことはできないのだろうか



『二人で帰ってきたよ、私たち

　 錆兎、私は...おかえりって、言ってほしかったな』



何を言っても返ってこない、少しむなしい気持ちになる


どうして？私と炭治郎が最終選別を終えたから？

それとも、義勇さんのことを頼める誰かができたから？


岩に背中を合わせて座り、膝に顔を埋める

すると、後ろに＿＿＿＿＿誰かの体温を、感じた気がした



「おかえり、A｣



真菰の声が耳元で聞こえて、勢いよく振り返ろうとする

しかし、体が金縛りに合ったかのように動かない



「悪いな、返事してやれなくて...お前たちのこと、ずっと見ていた

　 よく頑張った、本当に｣

「うん、ねえA｣

「「俺たち/私たち の分まで長生き しろよ/してね｣｣

『っ...ぁ、う...』



言葉を返したいのに、今度は私が返事をすることが出来ない

どこか泣きそうな声でささやく二人は、今どんな顔をしているのだろうか

「さよなら｣、と声が聞こえて、ようやく体の自由が戻る



『錆兎っ、真菰！？』



振り返ったそこに、もう二人はいなかった

後ろの岩に手を当てると、微かな人の温もりを感じる


ここにいたんだ...二人が、ここに



『長生き、かぁ...私にできるかな』

「Aー？どこだー？｣



呟いた瞬間、少し離れたところから炭治郎に呼ばれる



『はーい、今戻るよー』



炭治郎に答えてから、一度岩を振り返る


またね


声には出さなかったが、それでもきっと二人には

ちゃんと届いていることだろう


家の方に戻りながら、そっと目を伏せた

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