【鬼滅の刃】偶然、または必然か・弍【ハンターハンター】

48話　匂いに気配、そして音 ページ6

あたふたしている我妻君に優しく問いかける


『我妻君？音って何？』

「アッ、いやその何でもないから！気にしないで！！｣



いや、そんなに否定されたらバカでも嘘だと気づくだろう


少しムッとして、鼻を摘まんでみる

我妻君は「フギャッ｣と声を上げた



『嘘だね、今の我妻君は嘘の目をしてるから

　 教えてあげるけど、私にも変わったところはあるよ

　 生物の気配に敏感なことと、目を見たらなんとなくの感情がわかること』



我妻君は？と首をかしげると、顔を真っ赤にして「可愛いっ！！！｣と叫んでいる

こりゃ変わり者だな...

そんなことを思っていると、急に我妻君がこちらを向いた



「あっほら！今呆れてたでしょ！？俺は耳が良いの！！それで心音とかも聞こえるわけ！！

　 気持ち悪いでしょごめんね！？今すぐ立ち去るから！！！｣



わーっと言いたいことだけ言って走り出そうとする我妻君


耳が良いって...普通に羨ましいんだが？


耳が良いということは、鬼の音に瞬時に気づくことがてきる

つまり、鬼殺隊にむいている特技だ


気持ち悪い？よくわからないが、我妻君はそれをコンプレックスに思っているらしい



『ちょ、ちょっと待って！別に気持ち悪いなんて思わないから

　 良いじゃない、人のために使える特技でしょう？どこが気持ち悪いの？』

「...え｣



はっとして振り返った我妻君の目には涙が溜まっており、目は悲しさと驚きが入り交じっている

どうしてそんなに不安に思っているのだろうか


今までそれで嫌われてきたとか、そういうことか？だとしたら可哀想だな...


我妻君に近寄って、翔大君を抱えていない方の手で頭を撫でてやる

それを見て、翔大君も「お兄ちゃん、いいこ｣と言って頭を撫で始めた



「ふ、二人とも優しい...でも、こんなに小さい子に慰められる俺ってどうなの...？｣

『ふふ、面白いねぇ我妻君は

　 そうだ、これから時間ある？よかったら、翔大君のお母さん探しを手伝ってくれない？』

「Aちゃんの頼みなら例え火の中水の中っ！やるやる、やるよぉぉぉ！！｣



大奮起した我妻君は、私の手をとって歩き出す



「とりあえず、何か食べようね！！俺美味しい店知ってるから！！｣



ニコニコと笑う我妻君は、本当に楽しそうで


...まあ、二人とも楽しそうだし良いか

時間はまだあるし、と思い我妻君に続く


翔大君のお母さん探しの仲間ができました

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