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83話 生き残り ページ47

柔らかな風が吹いて藤の花の匂いが鼻をくすぐる



『長かったようで短かったねぇ、伊之助君』

「俺様にかかればこんなの楽勝だぜ!」

『うんうん、そうだね』



隣を歩く伊之助君の頭をポンポン撫でれば「ほわほわする!!」と振り払われる

それでも撫でさせてくれるだけ玄弥君よりはこじれていないのだろうが



「うおぉぉぉぉぉぉぉ!もうすぐそこだぜ!!」

『あ、ちょっと...もう行っちゃった』



急に走り出した伊之助君を追い掛けて小走りになる

藤の花を抜けた先には、最初の説明をしてくれた白と黒の子供がいた


どうやら伊之助君にだけ既に説明を始めているようで、私は近くの木に背中を合わせて気配を探る


...うん、炭次郎は無事

ついでに言うと善逸君と玄弥君も大丈夫そうだ



「A様も説明をお聞きになりますか?」

『ううん、私は後の子達と一緒に聞くから大丈夫だよ』

「承知いたしました、それではもうしばらくお待ちください」



気にかけてくれたのか、白髪の子の方がこちらに話しかけてくれる

伊之助君がいつの間にかいなくなっているから、もう説明は聞き終わったのかもしれない

訪れた沈黙が少し気まずくて、こちらから話をふってみる



『...そうだ、聞きたいことがあるんだけど』

「はい、何かありましたでしょうか」

『大したことではないんだけど、やっぱり鬼殺隊員は鬼を恨んでる人が多いよね』

「ほとんどの方が過去に鬼と悪い接触がありますのでよく思われない方が多いように思われます」



その言葉を最後にまたもや辺りに沈黙が訪れた

が、少しすればその沈黙は嘘のように賑やかになる



「イヤァァァァァァ!!やだもうほんと無理!!!死ぬよ死ぬ死ぬこれ死んじゃうよほんと

  ...あぁ!!Aちゃん!!会いたかったぁぁぁぁぁぁ!!」

『良かった善逸君、大きな怪我は無さそうだね』

「奇跡的にねぇぇぇぇぇぇ!!」



藤の花の奥から顔を覗かせたのは、ぐずぐずと泣きじゃくっている善逸君である

パッと近づいてきた彼を抱き締めれば、善逸君は目を大きく開いて固まった



『どうしたの?善逸君?』

「.........もう幸せすぎこれ夢なの??夢?それともここ天国??俺いつの間に死んだの???」

『夢じゃないよ、現実だしついでに言えば善逸君生きてる』



死んでもいいとか言い出した善逸君はほんとに女の子好きだよな...

そんな感じだからモテないのでは?

84話 涙→←82話 猪君は伊之助君



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セブンス・エイカン(プロフ) - 霧雨魔梨乃さん» 天才だなんてそんなこと...ありまs((失礼しました(土下座)、ありがとうございまぁぁぁぁぁぁす!!! (2019年10月31日 22時) (レス) id: c11c2be27e (このIDを非表示/違反報告)
霧雨魔梨乃 - マジでやばい!天才だわぁ。物語作ってけれてありがとう(TOT) (2019年10月31日 21時) (レス) id: 0e4689ecab (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - booksさん» 真菰ちゃん可愛いよねぇーーーー!死んでほしくなかったぁぁぁぁ...手鬼許すまじ(怒) (2019年10月31日 7時) (レス) id: c11c2be27e (このIDを非表示/違反報告)
books - 真菰ちゃん…ま″こ″も″ぢゃぁぁん!尊いよぉぉぉーー! (2019年10月30日 23時) (レス) id: e463963ad8 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - ムーンさん» オッケーです!思いの外生存ルート人気ですね!私も映画は見に行く予定ですが映画館が大洪水になることでしょう... (2019年10月28日 7時) (レス) id: c11c2be27e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セブンス・エイカン | 作成日時:2019年10月4日 20時

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