301話 兄さんと姉さん ページ28
_____知っている
私は、この、綺麗な青い瞳を知っている
あの人と..........義勇さんと、同じ瞳
その人は私と錆兎を見て嬉しそうに微笑み、私たちにそっと手招きした
「こんにちは、初めましてAちゃん。私は冨岡蔦子、義勇の姉さんだけど......
貴方は義勇の妹だから、私の妹よ。いつも義勇と一緒にいてくれてありがとう、Aちゃん」
蔦子姉さん____
義勇さんの口から、何度か耳にしたことがある
祝言の前日に鬼に襲われ義勇さんを身を呈して庇ってくれた、優しい優しいお姉さんだ
......嗚呼、温かい、優しい匂い
この匂いは、錆兎や蔦子さんの匂いだったんだ
二人を見てぼんやりと考えながら、とりあえずペコリと頭を下げる
『えっと.....初めまして、蔦子....姉さん。錆兎も、本当に久しぶりだね』
「嗚呼。.....ふっ、意外だな。お前がまさか、姉さんと呼ぶことに照れるとは」
「あらあら、でも仕方ないわ。義勇のことも、Aちゃんは義勇さんって呼んでるもの」
楽しげにニコニコと笑う二人を前に、私は、何を話せば良いのかわからなかった
話したいこと聞きたいこと、色々あるはずなのに
.......どうやら、柄にもなく少し緊張しているみたいで
口が上手く動かず、顔に熱が集まる
何も言わず少し俯いた私を見て蔦子姉さんは、私の手を、両手でしっかりと包み込んでくれた
「.....ごめんねAちゃん。急に姉と言われても、実感がわかないわよね。
勿論、本当の姉さんだと思ってくれたら嬉しいけど......突然、それは無理でしょう。
だけど、一つだけお願いしても良い?
義勇のこと、よろしくね。あの子は、ああ見えて本当は傷つき安いから」
蔦子姉さんは、そう言って、柔らかく優しく私の頭を撫でてくれた
「....A。お前と、お前が信頼している仲間は、本当に強い。
お前たちならきっとやり遂げられる、鬼殺隊の悲願を果たすことができる。
炭治郎や大別な者のため、踏ん張れ。お前なら出来る、大丈夫だ。
それから......義勇のことも、兄さんと呼んでやれよ!そろそろ、義勇がふてくされるぞ」
錆兎は、昔に見た安心したような悲しそうなような笑顔で、私にそう微笑んだ
『.......うん、ありがとう。
あの、それから___________________?』
困ったような顔で笑う、蔦子姉さんの言葉を聞き終えて
ようやく私は、深い深い、眠りから覚める
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セブンス・エイカン(プロフ) - キメツ好きさん» 好きですか!本当ですか!?(喜)無一郎君はできれば助けようと思ってます、コメントありがとうございます.....!じゃんじゃん(?)救済して行きますよー! (2020年6月22日 22時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
キメツ好き - はぁぁぁ泣けますね.....やだ好きです.....()御館様もしのぶさんも助かって良かった!!玄弥くんは.....悲しいけど.....無一郎君は助かるんですかね?救済してください!お願いします! (2020年6月22日 17時) (レス) id: b2fc3cf6a1 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 中トトロさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです!更新頑張りますー! (2020年5月21日 7時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
中トトロ(プロフ) - 続編おめでとうございます!とっても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてますよ! (2020年5月20日 23時) (レス) id: b4064f663e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セブンス・エイカン | 作成日時:2020年5月17日 20時