274話 生きるが勝ち ページ1
『.........は?』
ポカンと開いた私の口からは、思わずそんな気の抜けた言葉が漏れる
_俺が貴方に着いていきます
_殺すなら、俺を
_お願いです、どうかコイツだけは見逃してやってください
.....嘘だよ、嘘に決まってる
それでも、鬼に深々と頭を下げる獪岳さんに、嫌な汗が首を伝う
「その娘の身代わりに.....我が身を捧げると....?」
「.....はい、そうです。お願いします。どうか、どうかお慈悲を」
後ろに投げ飛ばされた時に刀の歯が掠ったのか、浅く切れた足が少し痛む
.....ちゃんと痛みがあるから、夢ではない
なら、目の前の、この光景は?
_____こんな地獄のような光景が、現実だと?
「......良いだろう、ならば....そちらの娘は見逃してやる.....」
「っ!あ、ありがとうございます」
『.....ッ、やめろ!』
このままでは、本当に獪岳さんが連れていかれてしまう.....!
焦った私は、勢いのままに手足を動かし獪岳さんの腕を掴んでいる鬼に向かっていく
動きもぎこちないし、隙だらけなのはわかっていたけど
それでも、今向かわないと一生後悔をしてしまいそうな気がして
″存在の呼吸 肆ノ型 許されざる者″
「....仲間に助けられた命だろう....自ら捨てるような真似はするな.....」
『無駄になんか、してない....!早く返して、獪岳さんを....私の先輩を!』
....やっぱり、私の攻撃は当たらない
それ所か、鬼は獪岳さんを抱えて逃げようとしていた
早く助けないと行けないと思うほど、足は鉛のように重くなっていくばかりだ
『ッ.......待てっ、卑怯者!逃げるな!』
どうすれば私の攻撃は当たるのか
攻撃を当てるには、もっとスピードを上げなければならない
....足にパワーを溜めて、一気に爆発させる
嗚呼、それにピッタリな技を、私も一つ知っているじゃないか
″存在の呼吸 盗賊の極意_____雷の呼吸 霹靂一閃″
「なんと.....まだ動きを速く.....」
.....これは、クロロの能力を元にした技
一度見た型であれば、コピーして使うことができる
つまり、人の技を盗める
『獪岳さん!私の手を掴んで!』
一瞬の隙に、獪岳さんに向けて腕を伸ばす
良かった、手が届く_____
そう思ったのに
「....この世界、生きてる方が勝ちなんだよ。
生き残れ、何が何でも」
獪岳さんは私の手を取らず
強く勢いをつけて、私の体を突き放したのだった
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セブンス・エイカン(プロフ) - キメツ好きさん» 好きですか!本当ですか!?(喜)無一郎君はできれば助けようと思ってます、コメントありがとうございます.....!じゃんじゃん(?)救済して行きますよー! (2020年6月22日 22時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
キメツ好き - はぁぁぁ泣けますね.....やだ好きです.....()御館様もしのぶさんも助かって良かった!!玄弥くんは.....悲しいけど.....無一郎君は助かるんですかね?救済してください!お願いします! (2020年6月22日 17時) (レス) id: b2fc3cf6a1 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 中トトロさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです!更新頑張りますー! (2020年5月21日 7時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
中トトロ(プロフ) - 続編おめでとうございます!とっても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてますよ! (2020年5月20日 23時) (レス) id: b4064f663e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セブンス・エイカン | 作成日時:2020年5月17日 20時