201話 鬼の涙 ページ34
「ぁ.......」
花華ちゃんの口から、言葉にならない音がこぼれる
切ってしまった
切らなければならなかったけど、でも、切りたくなかった
大切な人が鬼になるとはこう言うことで、炭治郎は、いつもこの危険に晒されているということで
『.......炭治、郎.....』
大切な弟弟子の名前を口にしながら、私の体は地に伏せた
少し離れた所に落ちた花華ちゃんの頭を、震える手を伸ばして抱き寄せる
冷たかった
もう、人間の体温とは程遠い
「......な、なんで!花華は、花華は死にたくなかっただけなのに、生きたかっただけ!
死にたくなかったの!死ぬのが怖かった!人を、殺してしまう花華が一番怖かった
花華は、花華は_______地獄に、行くの......?」
『花華ちゃん、大丈夫だよ』
花華ちゃんの目からはポロポロと涙がこぼれ落ちて、地面を濡らす
大丈夫、と何度も何度も繰り返すが、自分でも何が大丈夫なのかわからなかった
そっと、優しく花華ちゃんの髪を撫でる
「ほ、ホントはわかってたの。花華が、全部悪かったの。だ、だって、人殺しはいけないもの
花華は一人で地獄に行くの?い、いやだ.......お姉ちゃん、怖いよぉ!」
鬼にも感情はある、ただ人を喰らうだけの生き物ではない
元々は人間だったのだ
花華ちゃんや、禰豆子ちゃんのように
『.....一人じゃないよ。私もね、花華ちゃん。もう少しで、貴方の元へ行く
鬼を滅してから、そうしたら、必ず...........』
ハラハラと崩れる花華ちゃんを抱き締める
最後に地面に残ったのは、花華ちゃんが人間のころから着ていた着物一枚だった
鬼になっては、埋葬すらできない
骨すら、灰すら、残ってくれない
『か、たな........頚、を切って、もら、わないと......』
誰か、私の知る人に
私の頚を切ってもらって、鬼になる可能性を消してもらおう
私には禰豆子ちゃんのような鬼になれる自信がない
きっと、人を喰らおうとする
それで義勇さんや炭治郎に危害が及ぶのなら......殺してもらおう、鬼殺隊に
「........冨岡めの妹か」
そのとき、頭上から聞き覚えのある声が聞こえた
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セブンス・エイカン(プロフ) - リィさん» ホントですね!すみません、今直しました!ご指摘ありがとうございます!! (2021年10月18日 16時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - 誤字報告:174話 理由の最後の行なんですけど、恋雪が小雪になってます (2021年10月2日 18時) (レス) @page3 id: 3d8772a864 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 勿忘草さん» はい、そうです!細かい部分まで気にしていただけるとは......ありがとうございます、本当に嬉しいです!そして、説明が足りず申し訳ない..... (2020年7月26日 21時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草 - シャルの携帯する他人の運命(ブラックボイス)をどう鬼滅に入れるかと思ったら携帯運命になってる...なんて読むんですか?そのままブラックボイスですか? (2020年7月26日 15時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - ありがとうございますッ!!!でもちょっと才能はあんまりないかも。これからもよろしくお願いいたします!! (2020年2月8日 19時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セブンス・エイカン x他1人 | 作成日時:2020年2月2日 22時