Orange ball 3【青峰大輝】

７７話 ページ18

大輝のプレイは






相変わらず自由で







でも、どこかつまらなそうだった









　








「ダブルスコアかぁ。まぁよくやったよ」









　





誰も涙を流していなかった




見せつけられた圧倒的な力に




ただ呆然と立ち尽くしていた









　









「さ、私たちの本題はこの後よ！」









　







入れ替わりに桐皇の女子がコートに並ぶ






大輝とすれ違った萌音ちゃん






何か会話を交わした









　









！！









　









　








さっきまで強張っていた大輝の表情が







一瞬で緩んだ









　









　









ああ









　









いいな









　









　









・








・







・









　









「それじゃ戻ってミーティングするよ」







　






試合は桐皇…萌音ちゃんたちの圧勝だ




萌音ちゃんはチームで１番多く点を取った









柴山「すごかったねぇ」


『だね』









　





桐皇には櫻峰女子出身の子が多く



チームワークは抜群だし



他にも県外の強豪出身の猛者がいっぱいいる









そのなかで得点王になれちゃうんだもんなぁ









　









私の目標はまだまだ上にいた









　









ポンッ









　









『え？』








　





「どうもっス」









　








『わ、黄瀬くん…！』




柴山「え！？きせｒｙﾓｺﾞﾓｺﾞｯ！？」




『おばか。大きな声出すな』









慌てて乃蒼の口を塞ぐ




ただでさえ黄瀬くん(こいつ)は目立つんだから



さらに目立たれたらたまったもんじゃないね







　









『見に来てたんだ』


黄瀬「まあ、あの二人は特に気になるッスからね」


『緑間くんは、それ変装？』


緑間「なっ、なぜバレたのだよ」


『あ、はは』





　









なんか、ぶれないところが



懐かしさを感じる





　









柴山「A、そろそろ行かなきゃ…」


『あ、そうだね。じゃあね、二人とも』


緑間「ああ」


黄瀬「Aっち」


『うん？』


黄瀬「絶対に負けねぇ









って伝えておいて欲しいッス」







『りょーかい！』





　





ばいばい、と手を振って別れる








　








このとき私は





私は黄瀬くんからの言葉を伝える相手は




黒子くんたちだと思っていた









　







本当に伝えてほしかった相手は＿＿＿＿＿＿＿

７８話→←７６話※一部訂正(8.21)

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