なまいき注意報。【宮侑】

９話 ページ10

『まあ、まだ1回も吹いたことないんだけどね
いつか吹けるように頑張る』









話をしている先輩はすごく目を輝かせていた









侑「そんじゃ俺は先輩をてっぺんまで連れたって
1番景色の良いところで吹かせてやりますよ」



『あはは。約束ね』









　









　
・









・









・









こんな感じやったけな



これがもう1年か



あっという間やな



ほんで、先輩の卒業まで



あと1年もないんか









　









『すー……すー……』









　









なあ。どうしたらあんたにあんな顔させられるんや



あんたの目ぇキラキラさせんのは楽器か？



あんたの頬真っ赤にさせんのは北さんか？



俺はあんたを笑かす事しかできひん



もっと俺にいろんな顔してや



俺に反応してや









　









　









　









侑「A」









　

　







　









　









もしあんたの名前呼んだら







俺みたいにドキドキしてくれるんか？









　









なんてな。


どうせ「先輩に向かって呼び捨て？」


とか言って怒るんやろな〜









　









【次は〜〜〜】









ん。もう俺の駅や



先輩寝てるけど一応挨拶した方がええよな



このまま寝過ごしてしまうかもしれへんし









　









侑「先輩、俺次でおりますよ」









先輩の肩に触れる


うわ、ほっそいな


先輩はスラっとしていて


手足細いとはおもっとったけど


ほんまに華奢やな









　









侑「先輩？そろそろ起きひんと…」


『…あ、うん』


侑「せん…ぱい？」








　









起きたと思ったら先輩の顔が真っ赤だった









侑「先輩熱でもあるん？！」


『や、違くて…』


侑「じゃあ体調悪いん！？」


『だ、大丈夫だから』


侑「ちょ、こんな先輩放っておけんし」









駅についてドアが開く



早く出ないと閉まってまうが



先輩に何かあったらと思うと動けない









『侑、早く降りないと…』


侑「顔真っ赤な人が何言ってんねん」


『だから、これは…』


侑「何や！」


『あ…









　









　









あんたが急に名前で呼ぶから…』









　









　









【ドアが閉まります】









　









侑「は…？」









　



オレガ







ナマエ







ヨンダ








カラ








？









侑「起きてたん…？」

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