エピローグ ページ43
九条家失踪事件について、上に提出された報告書にはこう記されている。
犯人、被害者、共に行方は不明。
容疑者である攘夷志士�犧�雪�瓩糧塙圓蓮�被害者九条家の一族、及び白鬼家による、目論見であった。
そして、上の出した結論は、
九条家失踪事件は、白紙にする。
九条家及び白鬼家の同行は引き続き捜査を続ける。
九条家失踪事件に関する、桜雪の捜索は終了とする。
土「ま、九条家失踪事件はなかったことになったわけだ。」
病院への帰り道、わざわざ迎えに来てくれた土方さんから上の出した結論について聞いていた。
「でもそれって……結局は、上はミスを隠すためにそもそもの話を無くしたかったってことですよね。」
土「そういうことだな。とりあえず、この件については終わりだ。Aも来週には復帰するんだろ。準備しとけよ。」
「……はは、わかってますよ。……そうだ、土方さん。」
若干小言を言いそうになった土方さんに苦笑いを浮かべると、そっと足を止めた。
土「……なんだ？」
不思議そうな土方さんに向けて、少しだけ笑った。
「探しに来てくれて、ありがとうございました。」
土「は、なんだそれ。お前らしくねーな。」
その言葉に、土方さんは不思議そうなまま笑った。
「私らしくないって、どういうことですか。」
土「お前なら、探しに来なくとも戻ってきたのに。とか言うんだと。」
「……今回は貴方達が来てくれなかったら、私は今頃敵だったけど。」
土「なんか言ったか？」
「なんでもないでーす。じゃ、私万事屋にお礼渡しに行くので、先帰っててください。」
土「夕方には戻ってこいよ。」
「了解でーす、お母さーん。」
土「誰がお前のお母さんだ！！！」
そんな他愛のない、ふざけた会話を交わし、1人になると、江戸の町を歩きながら思った。
「師匠……
私は、色んな人の拠り所になれていますか──？」
九条家失踪事件篇(第206〜245話)……完
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作者名：Rukapyon | 作成日時：2023年11月10日 18時
