第225話 ページ22
?「起きろ!おい!」
肩をゆすられ、目をさませば騒がしい街だった。
後にそこが吉原だったことを知るが、私はそんなことは分からず、ただ困惑した。
直感で、ここから逃げた方がいいと感じて逃げるために様子を見計らった。
師匠から、念の為の縄抜け方法を教えて貰っていたので、後はタイミングだけだった。
?「じゃあ後は任せる」
と、引き渡されると同時、私はスッと縄から抜けると、全速力で逃げ出した。
すぐに百華が動き、私を逃がさまいと追いかけてきた。
地上まで駆け上がり、私は近くのもの陰に隠れていた。
数日もの間、逃亡を続けていると、Aっ!と名を呼ぶ声が聞こえた。
「し、師匠っ!」
千「よかった、逃げてたんだな。お前が売られたと聞いて……」
私を抱きしめて、頭を撫でてくれた師匠の手はすごく暖かった。
千「A……小町のことなんだが……もう、小町は敵だ。」
「え……?」
千「小町は、Aを裏切った。
もう……友達じゃないんだ。」
後の話によれば、白鬼さんは自分の保身のために、
私を悪者に仕立てあげ、苦しませるために吉原へのルートを九条家に提示したそう。
どうやって九条家と白鬼家の仲を取り持ったのかは分からないが、
これが私と白鬼さんが敵対関係になった最初の出来事。
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作者名:Rukapyon | 作成日時:2023年11月10日 18時