23:赤と白の小梅 ページ24
「先生!頼まれてたやつ持ってきたよ」
(銀時にとってだけ)衝撃的な真実を知らされた次の日。
松下村塾には色とりどりの着物やら浴衣やらが並んでいる。
「よくこんなに集まりましたね…」
Aは眼下に広がる綺麗な色をした布に目を瞬かせる。
男物のといえば渋い色がほとんどでこんな色鮮やかなものは身につけたことがない。
「みんなが着なくなったやつやお姉さんや商店の方々にお願いしてみました。何か好きなのはありますか?」
沢山の女物の着物が珍しいのか銀時や高杉まで顔を覗かせている。
「…私にはどうにも。でも色は青や緑がいいですね」
神童と謳われその齢にしては博識なAも流行りやお洒落なんてものには全くもって知識がない。
「青とか緑じゃ今のと変わんねぇじゃねぇか」
「もう少し女らしいの選べ、女らしいの」
見兼ねた銀時と高杉も襖の影から出てきてAの隣に並ぶ。
「あき、お前の家服屋だろ。選んでやれよ」
「うちは服屋ったって呉服屋と違うんだからね」
主に着物と浴衣をかき集めてきた少女に委ねれば前置きをしつつも吟味し始める。
「Aになら…これ、とか?」
「あぁそれは」
「ヅラの瞳の色に似てる、な」
鮮やかではないが決して地味ではない華やかさのある黄色のような色だ。裾の方には控えめな小さい紅白梅があしらわれている。
「可愛らしすぎはしないか?」
周りのみんなも気に入ったようだが差し出された着物にAは眉根を潜める。
しかし大人しくAで様子を見ていた狐まで気に入った、とでも言うようにするりと着物を尻尾で撫でるので
「…狐殿が言うのなら」
遠慮気味に受け取る。
「相変わらずAは狐さんに弱いんですね」
「そうかもしれないですね」
松陽の言葉にAは苦笑する。
そうかも、とは言ったが全くもってその通りなのだ。狐の指し示すことには素直に従う己がいる。
「あと数枚選んでおきますか。女の子は沢山種類がある方がいいでしょう」
「そうですね…自分じゃ選べないから。銀時、高杉。選んではくれぬか?」
「は?」
「俺らに託していいのか」
蚊帳の外だった2人はいきなり話を振られてビックリする。
「変なのは選んでくれるなよ?」
狐にもだがAは2人にも弱い自信がある。ならば任せようと思ったのだ。
「よし、じゃあどっちがよりヅラの気に入るやつを選べるか勝負だ!」
ー
ーー
梅の花言葉は高潔、忍耐
万斉おたおめ
114人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
茉莉(プロフ) - 宇治さん» めちゃくちゃ返信遅くてすみません!宇治さん、ありがとうございます!! (2019年5月5日 22時) (レス) id: 51e720f33e (このIDを非表示/違反報告)
宇治(プロフ) - こんばんは、宇治です。女の子要素無しの夢主、良いじゃないですか…!!好きです。とても。更新頑張ってくださいね!応援してます! (2019年4月15日 0時) (レス) id: c046a70699 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉(プロフ) - 赤蛮奇さん» ですよね!幼少期はみんな可愛いですけど高杉の可愛さは異常…!ありがとうございます (2019年4月4日 12時) (レス) id: 51e720f33e (このIDを非表示/違反報告)
赤蛮奇 - 幼少期高杉ヤバイですよね!アレはもう犯罪級ですよね!更新頑張ってください楽しみにしてます! (2019年4月3日 2時) (レス) id: 2a668a49bb (このIDを非表示/違反報告)
茉莉(プロフ) - (о´∀`о)さん» ありがとうございます! (2019年3月24日 19時) (レス) id: 51e720f33e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ