誕生日篇 8:師にはやっぱり適わないよねっていうかあの拳には逆らえないって言うか ページ9
「なぁ、アイツの誕生日って知ってるか」
「…知らね」
「高杉、お前。許婚であろう」
3人は松陽とAが買い物に行った途端頭を寄せあって会議を始める。
今日、他の女子の門下生と誕生日がなんだとかと話しているのを聞いたのだ。
「やはり誕生日には"ぷれぜんと"をあげるものなのだろうか」
「俺達のときはなかったぞ」
「その時にAはいなかっただろうが」
なんだかんだ言ってAは3人の身の回りのことをやってくれているし感謝しなくては、と一応思っていたのだ。
「おや、3人してどうしたんですか」
「松…陽」
気配を感じさせず近づいてきた松陽に驚いて、3人してその場から飛び退く。
「あれ、Aはどうしたのですか」
「森の方に木の枝を取りに行きましたよ、それでどうしたのですか?」
ニコニコと楽しげに笑う松陽は何だか察しているような気がするが多分説明しないと永遠に話が進まないので仕方なく3人で話していた内容を松陽にも話す。
「あぁ、Aの誕生日ですか。明日ですよ」
「いやなんでなんでも無さげに言うんだよ!」
「そんなに驚くことですか」
突っ込む銀時とニコニコと笑顔のままの松陽。
「先生は何か"ぷれぜんと"買ったのか?」
「もちろんです。君達と同じで新しい着物です」
そう言うと松陽は押し入れから着物が入った包みを取り出す。
「赤色の着物ですね」
「紅葉の模様か」
淡い赤に裾の方に濃い赤の紅葉があしらわれている。
なんというか3人は思った。
俺らのより高いよね?ていうか俺ら貧乏人だよね?なんでそんな高そうなものを買ってんの。
「なんですか?」
ジト目で松陽の方を見る3人に松陽は変わらない笑顔でかえす。
「「「なんでもないです」」」
9:大切なのは何が、じゃなくて想いがこもっているかだよ→←7:誰にも負けない私だけの強さ
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