＃�将将� ページ24
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『 … リーマス 』
「 今は気を失ってるだけだ。この調子じゃ、当分目は覚まさないだろうな 」
まるで身を隠すようにシミのついたボロボロの毛布に包まり、赤子のように体を丸めて横たわっているリーマスの元へ近づく。
明るい茶髪から垣間見える顔色はまるで生気がなく、固く瞑られた瞼からは彼の優しげな緑色の瞳を見ることもできない。
浅く呼吸を繰り返す度に上下する体は人とは思えないほどに冷たく、いつにも増して白い素肌にくっきりと残るまだ新しい傷跡が自己の存在を主張している。
まるで獰猛な獣に襲われたような噛み跡、猫や小動物とは比べ物にならない大きな引っかき傷 … まだ記憶に残っている彼女の体にも刻み込まれていたそれと同じ形をした傷跡は彼の正体を見破るには十分すぎるものだった。
『 … リーマスは、狼人間なのね 』
「 … ああ、君の言う通りだよ。かくいう僕達も知ったのは最近なんだ、まあ薄々勘づいてはいたけどね 」
「 あいつは卒業するまで隠し通す気だったらしいけどな、満月の度に姿消してちゃ丸わかりだ。
むしろ今は俺らと話し合わせれば誤魔化しも効くようになって、前よりは過ごしやすくなったかもな 」
「 えっと、それで僕達は、ここに隔離されてるリーマスをこうやって回収しに来るようになったんだ、朝早いのは僕ちょっと苦手だけど … 」
『 … 確かに、私ももし今日貴方達の行動に気づかなければきっと卒業まで分からなかったでしょうね。
どうりで絆が強いと思ったわ、ただの悪友じゃなかったのね、悪戯仕掛け人は 』
まだ血のにじむ傷跡にポーチから取り出したハナハッカ・エキスを垂らす。視認出来る範囲とはいえ多量の出血を伴う傷がない事に安堵しながら、緑がかった煙が消え薄い跡になっていることを確認しエキスをしまった。
『 ひとまずはこれで大丈夫でしょう 』
「 ありがとう、A。助かったよ。後は念の為医務室に連れていくだけだからここからは僕達に任せて 」
「 今の時間なら誰の目にもつかない。俺らはこいつを連れていくのに時間がかかるからな、先に戻っててくれ 」
『 ええ、分かったわ。貴方達もくれぐれも気をつけて 』
未だ目覚める気配のないリーマスの姿に後ろ髪を引かれながら、３人にそう別れを告げ元来た暗い通路の中へと歩みを進めた。
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箱 - すてきな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年3月31日 20時) (
レス) @page27 id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
イジー - そうだったんですね！何も知らずに言ってしまっていました、すみません！これからも頑張って下さい！ (2023年3月20日 14時) (レス) id: c288b38476 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃかま 。(プロフ) - イジーさん» 実はジェームズがシーカーであるかチェイサーであるかは作者様のインタビューと映画で異なっているんです…なのでこの小説はインタビューに沿ってチェイサーという設定にしています！ (2023年3月10日 1時) (レス) id: c589118b68 (このIDを非表示/違反報告)
イジー - とても面白かったです！ですが、ジェームスってシーカーではありませんか？間違っていたらすみません。これからも頑張ってください！ (2023年2月18日 18時) (レス) @page14 id: c288b38476 (このIDを非表示/違反報告)
ぱあたん(プロフ) - とっても面白くて思わずニヤけちゃいました…！これからも頑張ってください〜！ (2020年5月9日 12時) (レス) id: 5f3f43ce15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぃかま 。 | 作成日時：2019年12月17日 22時
