30話 ページ31
Aが眠ってしまったのはちょうど明け方で、起きた時にはもうお昼に回っていた
長い時間床で寝てしまったAが背中や腰を伸ばしながら立ち上がり明け方にあった出来事を思い出していた
なぜあんなことがあったのかは理解できない
どうしてあのタイミングで死喰い人が？
そしてその理由を、ようやく知ることとなった
朝に届いたのであろう新聞を持ち上げて、その1面見出しを見て、Aは何秒か止まってしまった
何度か目を擦り、何度か頬をつねり、何度か頭を振って、それでもその1面見出しの内容が変わらないことに気づき、ようやく現実がわかってきた
いや、わかってきただけで決して理解したわけではない
だって、まさか、
｢リリー、と…ジェームズが………？｣
自分の大切な友人である彼らが、
｢ヴォルデモートに、殺され、た、の…？｣
死ぬなんて
Aの声は微かに震えていた
頭の中が混乱して、目眩と吐き気が襲ってきた
深い悲しみに押しつぶされ、Aは近くのソファに膝をつき、深呼吸を何度もした
それでも身体の震えも頭痛も吐き気も引かず、むしろ時間が経てば経つほどそれらの症状は増幅していった
新聞の続きを読みたかったが、それをすることも叶わず気がつけば意識を失っていた
死喰い人達から家を守るために施した防御の呪文のせいで、幸か不幸かこの家に誰も来ることができずAの身を心配した者はたくさんいたものの、この家に入れるものはいなかった
そしてAは、まだ新聞の続きを知らなかった
それを知ったのは気を失ってから2日近く経った時だった
Aはまだ立ち上がるのも辛く、何も知りたくない気持ちもあったが、何も知らないことも当然のように辛かった
2つの感情を押し殺して新聞を読み進める
｢……え？｣
次に見つけた文字は、ヴォルデモートの死と、それを倒した男の子と、仲の良かった友人の死と、自分の愛して止まない恋人が、
｢大量殺人？｣
殺人鬼と謳われていたことだった
♡o｡+..:*♡o｡+..:*♡o｡+..:*♡o｡+..:*
不幸は連鎖する
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 428人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ターコイズ(プロフ) - サカさん» 返信遅くなってすみません。こちらこそ、他にも読んでみたいと思ってもらえるほど気に入っていただけたこと、とても嬉しいです。ありがとうございます！ (2023年5月5日 5時) (
レス) id: e084e939a0 (このIDを非表示/違反報告)
サカ - コメント失礼します！一気読みしてしまいました。親世代の物語はそんなに好きではなかったのですが、この物語のおかげで他にも読んでみようと思えるようになりました。ありがとうございます！前のからだいぶ時間が経ってからのコメントですが気づいてくれますように！ (2023年3月20日 20時) (レス) @page49 id: 0270587d36 (このIDを非表示/違反報告)
ターコイズ(プロフ) - まゆさん» はじめまして。返事遅くなってしまい申し訳ございません。読んで頂けて嬉しいです！私も書いていて悲しかったので早く二人をもう一度出会わせてあげたいです...！コメントありがとうございました。 (2018年10月20日 14時) (レス) id: 1341dc0cf7 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - はじめまして！世界最強魔女の親世代読ませていただきました！面白いです！面白いのですが、シリウスとヒロインが別れてしまった途端、私のガラスのハートがブロークンしてしまいました…シリウスぅぅううう！！！でも面白かったです！続き、楽しみにしてます！ (2018年6月7日 14時) (レス) id: 6141bd420f (このIDを非表示/違反報告)
ターコイズ(プロフ) - ゆうなさん» 本当ですか！？やっぱり面白いと言ってもらえるのは嬉しいです！子世代も頑張ります！ホームステイも楽しんできます！ (2017年2月28日 19時) (レス) id: 1341dc0cf7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ターコイズ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Namida/
作成日時：2017年1月12日 23時
