其の百三話 ページ9
ルーシー「書類にあった船はこの先よ」
溺れてルーシーに助けられた俺は、びちゃびちゃの服では無く着流しを着て依頼にあった船まで案内されている。
何故着流しか、というと、ルーシーの異能だ。
ルーシーが着替えるというので、ついでに俺の服を取りに行ってもらった。そしてそのまま、ルーシーの…アンの部屋?という処で着替えさせてもらった。
鏡花「信用出来ない」
ルーシー「貴女の信用なんて欲しくなくてよ、おチビちゃん」
鏡花「なら、誰の信用が欲しいの」
ルーシー「……」
ルーシーは言葉に詰まり、ちらりと俺を見た。
ぽかんとするとさっさと船まで行ってしまった。
ルーシー「此処よ」
「お、依頼書の鞄だな」
敦が鞄を開ける。が、鞄の中身は空。何も入っていなかった。
「彼女の仕業では無いな。何か仕掛けがあるのか…」
ルーシー「さり気なく撫でないで頂戴」
鏡花「底に何かある」
鞄を探っていた鏡花ちゃんが底に何かを見つけたらしく、それを手に取った。
覗き込むと、入社祝と貼られた何かの報告書だった。
「とりあえずうずまきに戻るか、いつまでもここにいるわけにはいかない」
うずまきに戻り、報告書を読む。
俺が敦の手から奪って読んだが、敦には何となくその報告書の内容が分かっていたようだ。
報告書には鏡花ちゃんの両親が死んだ日の事が記されていた。
敦「鏡花ちゃんは御両親が何の仕事をしていたか知ってる?」
鏡花「知らない」
「…御両親は裏の人間だ。父親は元政府の諜報員。事件を起こして辞したあとは個人傭兵として要人暗殺を。母親は『夜叉白雪』の使い手で、夫と共に数多の暗殺を手掛けた。
御両親は恨みを持つ異能者の襲撃に斃れ、御両親の存在を表沙汰に出来ない政府は『異能の暴走』として処理したようだ」
真実を聞いた鏡花ちゃんは驚きを隠せないようで、目を見開いて俯いていた。
鏡花「でも…夜叉白雪は私の異能で」
敦「異能を肉親に譲渡する方法があるらしいんだ。詳細は不明だけど、お母さんはその方法を黒い影を操る異能者から教わったそうだよ」
「だが急な襲撃で譲渡が不完全だった為に、夜叉白雪は媒介であるその携帯電話からしか操れなくなった」
鏡花「殺される何日か前、母様はこの電話を渡して……絶対に手放すな、って……」
優しい御両親だった、という事しか俺には分からなかった。
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冷たい人 - 面白いです!!!めちゃ大好きです! (2023年4月17日 22時) (レス) @page13 id: 26c600857a (このIDを非表示/違反報告)
マッキー - とても面白いです!でもこれで終わりですか?続きが読みたいです! (2018年4月8日 0時) (レス) id: 0d4948deb3 (このIDを非表示/違反報告)
シロナ - 最初から読ませてもらっています!これで終わりですか?続きがきになるので、更新待ってます! (2018年2月4日 22時) (レス) id: d334659998 (このIDを非表示/違反報告)
Dear(プロフ) - 栗さん» 返信遅くなりましたすみません!ありがとうございます!頑張ります! (2017年7月3日 21時) (レス) id: fdc14bf096 (このIDを非表示/違反報告)
栗 - 楽しく読ませてもらってます。これからも更新頑張ってください! (2017年6月23日 3時) (レス) id: 6d58c9b9c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Dear | 作成日時:2017年4月19日 21時