其の百六話 ページ12
「彼奴等は何なんだ…俺と誰かが歩く度デートだのなんだのって…」
福沢「羨む気持ちは判らなくもないが」
「…社長も羨ましい…と…?」
福沢「そうは云っていないだろう」
社長に呼ばれ、業務も終えた俺は何時もの着流しに着替えて社長と並んで歩いていた。
横顔格好良すぎだろ…と内心大荒れだが真顔を保つ俺を褒めて欲しい。
「…社長、あれ血痕じゃ…」
福沢「…追うぞ」
「はい」
辺りを警戒しながら、続いている血痕を追う。
少し入り組んだ路地まで来ると、血痕は其処で途切れていた。
福沢「この血溜りで途切れている____か、」
「社長、右後方、首斬り刀」
小さく告げると社長は指2本で受け止め、
福沢「物騒な夜だ」
そう云って刀の持ち主の肘を持った。
肘を持たれた仮面の男は飛び退き、ズザザッと後ろに下がった。
仮面「死を、死を、異能者に死を。永遠に目覚めぬ泥土の眠りを、」
福沢「お前が云っていた異能者狩りか」
「…あぁ」
パキッと刃を折った社長。
脆くないか、あの首斬り刀。
福沢「私の他にも標的があるならば逃がす訳にはいかんな」
仮面「届かない。貴方では私に届かない。いかな武術の達人でも。意識の外からの攻撃は避けられない」
「チッ」
福沢「!」
予知で見た通り社長を狙って攻撃が来た。
庇える位置に居てよかった、俺は食らったが社長は無事だ。
仮面「彼を狙うつもりが庇われましたか…ですが十分です。予知者の彼も標的でしたから」
「ちっ、くしょ…」
仮面「抗えぬ死は至る所にあります。たとえば銃、病、孤独、そして毒」
「ッ…ぐ…」
福沢「榎本!」
くらりと視界が歪み、嫌な汗が全身を伝う。
想定していた以上に辛く、社長に支えられて漸く立っている。
仮面の男は高く飛び、空中で1度止まった。
仮面「今宵は死ぬにはいい月夜です」
福沢「待て!!」
「追わなくて、いい…」
福沢「然し…ッ」
「いい…、」
仮面の男は一言そう云うと消えてしまった。
俺は支えられたまま探偵社に戻り、社長が与謝野さんを呼び出して俺を診させた。
意識を保ってるのが不思議…俺凄い
「ええ…凄いくらくらする」
福沢「当然だ、休め、榎本」
与謝野「そうだよ、とっとと寝な」
「…俺が居なければ社長が狙われていたんだ…朝までは、何とか、」
福沢「…問題ない…」
与謝野「妾が付いてる、だから寝な…」
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冷たい人 - 面白いです!!!めちゃ大好きです! (2023年4月17日 22時) (レス) @page13 id: 26c600857a (このIDを非表示/違反報告)
マッキー - とても面白いです!でもこれで終わりですか?続きが読みたいです! (2018年4月8日 0時) (レス) id: 0d4948deb3 (このIDを非表示/違反報告)
シロナ - 最初から読ませてもらっています!これで終わりですか?続きがきになるので、更新待ってます! (2018年2月4日 22時) (レス) id: d334659998 (このIDを非表示/違反報告)
Dear(プロフ) - 栗さん» 返信遅くなりましたすみません!ありがとうございます!頑張ります! (2017年7月3日 21時) (レス) id: fdc14bf096 (このIDを非表示/違反報告)
栗 - 楽しく読ませてもらってます。これからも更新頑張ってください! (2017年6月23日 3時) (レス) id: 6d58c9b9c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Dear | 作成日時:2017年4月19日 21時