其の九十六 ページ2
銀「昨日は仕事を終え、数日振りの帰宅で……この仕事衣装を洗濯屋に預けた後、兄と待ち合わせを」
それを龍之介に直接聞いた俺は、暴走気味の樋口さんから彼女を匿うために走ってきたんだが袋小路に着いてしまった。
ここの地形よく分からん、国木田とどらいぶでーと決定だな…え?しない?云うと思った
事実を知った樋口さんは目尻に涙を溜めて震えていた。
敦が大丈夫かときいたが、泣いてません!と返されていた。
国木田「全く……如何する花袋?お前マフィアの類は嫌いだろう」
花袋さんはぐっと黙り込んでしまった。
かと思いきや、勢いよく膝をつき恋文を銀に差し出した。
花袋「貴女が黒社会の人間だったとしても、儂は貴女に尽くそう。貴女を一目見た瞬間、儂は美しさの意味を知った」
震えながらの告白。
花袋さんなりの告白。
銀は困った様にそれを見て、フッた。
まあ、判っていた結末だが。
アパートに戻ると花袋さんは蒲団に潜り込み、声を上げて泣いた。
これも判ってはいたが、花袋さんにとっての大きな1歩になっただろう。
国木田「全く……こうなる事は判っていただろうが。Aだって異能を使わずとも見えた結果だろう」
呆れながら国木田は云う。恋は予測不能だ、見えた未来が必ずしもその通りにいくなんて事はない。
花袋「あぁ……しかし、これで善かったのじゃ」
国木田「!……そう云う事か。莫迦な奴め」
敦「花袋さん、大丈夫でしょうか?」
「すぐに調査にかかるだろ、その為の恋文何だろ?」
アパートを出て三人並んで歩く。
花袋さんのこの結果も、彼本人の意思。故に、俺の予見は今回は不要だった。
国木田「あぁ、元来、岡惚れした相手に想いを告げる度胸は花袋には無い。だが、何時までも片思いに係っていては調査が出来ず俺が困る。だから奴は進んで玉砕したのだ」
敦「……花袋さんの事よくご存知なんですね」
「そのうち俺達のことも腹の底まで知られるだろうなぁ…あー、怖」
敦「Aの事は太宰さんがよく知ってるじゃないか」
「まあそうなんだが…」
国木田「はぁ〜…奴が探偵社に戻れば少しは楽になるんだがな…」
国木田は溜息混じりに云うと頭を搔いた。
元探偵社員の電網潜りが復帰すれば探偵社は恐れを知らない組織になるだろう。
予見に電網潜り、異能無効化。これだけでも強くないか…?探偵社凄い…()
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冷たい人 - 面白いです!!!めちゃ大好きです! (2023年4月17日 22時) (レス) @page13 id: 26c600857a (このIDを非表示/違反報告)
マッキー - とても面白いです!でもこれで終わりですか?続きが読みたいです! (2018年4月8日 0時) (レス) id: 0d4948deb3 (このIDを非表示/違反報告)
シロナ - 最初から読ませてもらっています!これで終わりですか?続きがきになるので、更新待ってます! (2018年2月4日 22時) (レス) id: d334659998 (このIDを非表示/違反報告)
Dear(プロフ) - 栗さん» 返信遅くなりましたすみません!ありがとうございます!頑張ります! (2017年7月3日 21時) (レス) id: fdc14bf096 (このIDを非表示/違反報告)
栗 - 楽しく読ませてもらってます。これからも更新頑張ってください! (2017年6月23日 3時) (レス) id: 6d58c9b9c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Dear | 作成日時:2017年4月19日 21時