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第20話 ページ22

Aside





黄蘭「そりゃあ、呼びづらいし分かりにくいしなぁ」


『なら、何故ご両親は葵と付けたんでしょうかね…』





うーん、と考えていると、急に声がかかった。




葵「ちょっと、なに人が寝てる間に僕の名前のこと好き勝手言ってんの」


黄蘭「なんや、起きとったんか」


葵「あんたらがいつまでも小蠅みたいに五月蝿く喋ってるから起きちゃったの…」




ふあぁ…とまた欠伸をし、脱力する。




葵「雨竹 葵っていうのは、親が付けたんじゃなくて自分で付けたの…
僕の花は天竺葵だったから、それをちょっと変えて雨竹 葵」


『天竺葵?って、どんな花ですか?』


葵「天竺葵も知らないの?」


『すっ、すみません…』





雨竹さんは少しため息をつき、一度重たそうな瞼を落とした。

そしてまたゆっくりと瞼を開き、金色の綺麗な目で私の目をじっと見た。





葵「天竺葵は、洋名でゼラニウムっていうの。これくらいは知ってるよね」


『はい、ゼラニウムなら聞いたことあります』


葵「じゃあ、ゼラニウムの花言葉は知ってる?」


『いえ、聞いたことないです
一体どんな花言葉なんですか?』


葵「ゼラニウム全般の花言葉は…尊敬、信頼、真の友情。」


『全般?雨竹さんは、どんなゼラニウムなんですか?』





私がそう聞くと、雨竹さんは少し表情を歪めた気がした。



少しの間黙り込んだ雨竹さんの表情は、気のせいかも知れないけれど切なげで、泣き出しそうな空のように曇っていた。





葵「…僕の花はピンクのゼラニウム。花言葉は…」





そう言いかけ、言うべきではないと思ったのかきゅっと口を結んだ。



静かな空間にひんやりとした空気が流れたせいか、私は冷静になって少し場違いな考え事をしてしまっていた。









よく考えればここはなんなんだ



これは私が見ている夢じゃないのだろうか



この妖達はなんなんだ



本当に害はないのか



もしかしたら殺されるのではなかろうか






そんな考えが頭の中でぐるぐると周り、少し逆上せ、冷や汗をかいていた。



何秒か、何分か。下手したら何時間こうして立っていたか分からない。





ただ、私の体は金縛りにあったように動かなくなっていた。









______ピンクのゼラニウムの花言葉---疑い

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設定タグ:妖怪 , 半妖 , ファンタジー   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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十眠蜂九(プロフ) - こんにちは( ´∀`)σ)∀`) (2017年12月19日 22時) (レス) id: 4998cd34df (このIDを非表示/違反報告)
ちさてぃ - (‘*‘) (2017年5月30日 20時) (レス) id: 4998cd34df (このIDを非表示/違反報告)
御伽(プロフ) - 新キャラ出ました!雨竹 葵(アマタケ アオイ)君です!白黒なのに葵という名前の意味は次回...! あと更新が非常に遅くなってすみません!完結も更新停止もしてませんからねー!! (2017年2月12日 14時) (レス) id: db9f641ea5 (このIDを非表示/違反報告)
ちさてぃ(プロフ) - 御伽さん» なるなる (2016年10月29日 19時) (レス) id: 4998cd34df (このIDを非表示/違反報告)
御伽(プロフ) - ちさてぃさん» あのね、元々アナログで描いてたのを線画輸出して修正して色付けて編集してってしただけだからそんなに時間かからなかったの (2016年10月28日 23時) (レス) id: db9f641ea5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冰鬆葉 | 作成日時:2016年7月25日 19時

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