第5話 ページ6
Aside
『ということで、今日からここで働く事になりました』
翠瓏「青淋、本当か?!!」
青淋「あぁ。」
きっと歓迎はされないだろう。
そう思ったのも束の間。
両手をおもむろに掴まれ、にぱぁーっと微笑んだ翠瓏さんが私の前にいた。
翠瓏「よろしくな!!A!!!」
『っはい!よろしくお願いします!』
とてもいいところに来たな…
なんやかんやで青淋さんにも良くしてもらってるし。
『あ、ところで青淋さん』
青淋「なんだ」
『仕事って何をしたらいいんでしょうか?』
青淋「あぁ、人間の世の本を妖怪が読めるように翻訳したり、間違えて翻訳された本を改訳して欲しい。」
『妖って、人間の言葉が読めないんですか?』
そう青淋さんに聞くと、溜息をついて呆れたように返答される。
青淋「だから翻訳するんだろう。」
『でも、私は青淋さんの言葉が分かりますし、妖の世界の看板とかだって読めますよ?』
すると今度は驚きと呆れが混ざったような顔で、はっきりと告げられる。
青淋「お前は半妖なんだから当たり前だろ。」
はんよう?半妖?
半妖って、妖と人間の混血のこと?
『私が半妖?誤解ですよ青淋さん、私の母と父はちゃんと人間ですし』
青淋「…お前、雪を食べてここに来たんだろ?」
『ゆ、雪?…そういえば、ここに来る前に雪が口の中に入ったような気もします』
確かですけどね!と付け加えると、青淋さんは淡々とした口調で説明をする。
青淋「あの雪は俺が降らせた雪だ。そしてあの雪は人間の血の半分に妖気を含ませ、その人間をこちらの世に誘い出すものだ。」
『誘い出すって事は、こなかった人間もいるってことですか?』
青淋「あぁ。むしろこなかった人間の方が多い。こちらに来た人間は…まぁ片手で数えるくらいとまでは言わないが、多くても15人いるかいないかだ。」
多くても15人……
千夏も前に雪を食べてしまったとかで大騒ぎしてたけど、千夏はここにこなかったのか。
『じゃあ、雪を食べてしまう人は何人くらいいるんですか?』
青淋「知らん。多すぎて数えるのも無駄だ。」
その言葉を聞いて、私は唖然とした。
もっと言うと、酷く落胆してしまった。
てっきり50人くらいはいるだろうと思っていたからだ。
ならば何故私はこの世界に来れたんだ?
なかなか来れないのなら、何か理由があってこの世界に来てしまったはずだ。
嗚呼、謎は深まるばかりだ。
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十眠蜂九(プロフ) - こんにちは( ´∀`)σ)∀`) (2017年12月19日 22時) (レス) id: 4998cd34df (このIDを非表示/違反報告)
ちさてぃ - (‘*‘) (2017年5月30日 20時) (レス) id: 4998cd34df (このIDを非表示/違反報告)
御伽(プロフ) - 新キャラ出ました!雨竹 葵(アマタケ アオイ)君です!白黒なのに葵という名前の意味は次回...! あと更新が非常に遅くなってすみません!完結も更新停止もしてませんからねー!! (2017年2月12日 14時) (レス) id: db9f641ea5 (このIDを非表示/違反報告)
ちさてぃ(プロフ) - 御伽さん» なるなる (2016年10月29日 19時) (レス) id: 4998cd34df (このIDを非表示/違反報告)
御伽(プロフ) - ちさてぃさん» あのね、元々アナログで描いてたのを線画輸出して修正して色付けて編集してってしただけだからそんなに時間かからなかったの (2016年10月28日 23時) (レス) id: db9f641ea5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冰鬆葉 | 作成日時:2016年7月25日 19時