君は天使＋ヒーローをして優しさをふりかけたレベルの人です。【西谷夕】 (ページ13)

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１１.一期一会ページ13

目が覚めると私の体の上には黒いジャージが置いてあった

烏野高校排球部

それは、私が着ると確実にブカブカになってしまう大きさだった

誰のだろ……

そう思いながらその場に立つ

時計を見るともう、５限目が始まっている時間だった

『………』

かけてあった服を持ってその場で立つ

しばらく歩いてから
なにかの雰囲気を感じて私は振り返る

『春？……』

春「えへへ！来ちゃった！！」

そこにはうっすらと見える中学三年生の頃の春が立っていた

『な、んで？……』

春「だって、Aったら私、怒ってないのに勝手に勘違いしてずっと静かなんだもん！」

私は１歩春の方へ足を進める

すると春は後ろに後ずさった

春「私ね…ずっと見てたよ、Aのこと」

春は優しい声で言った

春「あの時ね？私、Aが生きててくれて良かったって思ってる

私もまだ生きてたかったって思うけどでも、それでもAが生きててくれて嬉しい

なのに、昔のAじゃなくて、冷たくて一人ぼっちで、友達いなくて

西谷君だっけ？せっかく声掛けてくれてるのにあんな対応じゃ～ね～」

私の目から涙が落ちる

春「多分、後悔してるんでしょ？

それだけじゃない、私が死んだ方が良かったとか、トラウマになってたりとか

私が幸せになっちゃいけないとか…」

春「私、天国で彼氏できたんだー！幸せだよ！？バレーもできるし！

だからさ、Aも幸せになってよ

私の大事な親友なんだからさ！！」

『春！……ご、ごめ…』

春「謝んないで！謝ってほしくて庇ったんじゃない！

残念だけど、今のAは嫌い

前のAでいてほしかった」

『は、春…！』

＿＿＿＿

一期一会 (いちごいちえ)

一生に一度会うこと。また一生に一度限りであること。