42話 ページ42
「海って綺麗だと思いますか?」
唐突だと思った。けれどこれから銃兎さんは何か大事なことを言いたいんだな、と感覚的に分かった。
「はい。こうやってキラキラ輝いているものは特に。」
「…私は海は汚いものだと思っていました。どんなものでも沈んでしまえばその暗闇に隠されてしまうからです。」
船の汽笛がどこからか聞こえる。
「でも、貴女の目に映る海を見たら、悪くないなと思ったんです。…こんな汚れた俺でも、貴女と一緒に居ると見えるもの全て綺麗に感じるんです。」
今までどこか遠くを見つめていた瞳がこちらを向いた。
「それに、ずっと一人で戦っていた強い貴女を守りたい。愛おしい貴女を独り占めにしたい。そう思ったんです。だから…俺と付き合ってくれないか。」
くっきりと浮かんでいた夜景が少しずつぼやけていく。
「…私も、銃兎さんと一緒にいると、あんなに憎かった夜が輝いて見えるんです。」
小さく息を吸って、吐く。
「私も、銃兎さんのことが好きです。」
銃兎さんは親指で私の零れ落ちそうな涙を拭ってくれた。
銃兎さんの顔がはっきりと見えるようになる。彼は今までで一番優しい表情をしていた。
ゆっくりと顔が近づく。
私は静かに目を閉じた。
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レン(プロフ) - きのこさん» きのこさん、ご感想ありがとうございます!ウサちゃん、はまったようで良かったです笑完結後もコメントくださるととても嬉しくなります^ ^ (2020年10月24日 16時) (レス) id: 964e945bea (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - いや〜今更来ましたきのこです。あの、場違いかもですが、左馬刻様が銃兎さんのことを「ウサちゃん」って言ってたのが凄い肝臓にきました。というか、いやもう最後ページの部分とか瞬きしてなかったですねwwとても面白かったです!!更新お疲れ様でした!! (2020年10月24日 6時) (レス) id: 2a559184c7 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - 絢さん» お楽しみいただけているようで嬉しいです!私も絢様のコメントを拝見してニヤニヤしてしまいました…!笑ありがとうございます! (2020年1月21日 22時) (レス) id: 964e945bea (このIDを非表示/違反報告)
絢(プロフ) - こんなの言うの恥ずかしいんですがめっちゃニヤニヤしてみてます (2020年1月21日 13時) (レス) id: 15b677e26e (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - shinox2さん» うわわ!私もそこお気に入りなんです〜!笑お褒めのお言葉本当に嬉しいです、ありがとうございます! (2019年10月29日 16時) (レス) id: 964e945bea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レン | 作成日時:2019年8月23日 23時