41話 ページ41
「気持ちぃ〜!」
窓を開けて走ると冷たい風が吹き抜けて爽快だ。
みなとみらいからは少し離れて、今はあの賑やかさから遠ざかり、静けさが心地よい場所を走っている。
それに、離れた場所から見る夜景もまた表情が違っていて、とても雰囲気が良い。
ちらりと横を見る。
片手でハンドルを握る銃兎さんの髪が風で乱れる。前髪が目にかかり、そこからスッと通った鼻筋が覗いていて、それが銃兎さんの色気をより引き立てている。
「そんなに見られると照れますねぇ。」
銃兎さんはそう言って髪をかきあげた。
「なっ…!気づいてたんですか…。」
「ふふっ、分かり易すぎるんだよ。」
車は見晴らしの良い広場に差し掛かった。
「Aさん、一度外に出てみませんか?」
潮の香りに包まれる。
海との際に立てられている柵まで2人で歩いて、柵に手を置いた。都会の煌びやかな光が横浜港に反射している。
対して銃兎さんは柵に背中を預ける形で立っている。
「今日、いかがでした?楽しんでいただけたでしょうか。」
「はい、とっても!本当にありがとうございます!何より週末を銃兎さんと一緒に過ごせたのが嬉しくて…。」
「貴女って本当に素直ですよね…。あぁ、そういえばAさん、初めて私の名前を呼んだ時はあんなに顔を真っ赤にしてたのに、今はもう慣れたんですね。」
思い出させないで…!しかも顔が赤くならないように心の中で下の名前呼んで練習してたなんて言えない…、絶対言えない…!
「そ、そんなに赤くなってました?気のせいでは?」
「ほう…気のせいですか。じゃあ今赤いのも“気のせい”ですね。」
銃兎さんは意地悪な顔で笑って、海の方を向いた。
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レン(プロフ) - きのこさん» きのこさん、ご感想ありがとうございます!ウサちゃん、はまったようで良かったです笑完結後もコメントくださるととても嬉しくなります^ ^ (2020年10月24日 16時) (レス) id: 964e945bea (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - いや〜今更来ましたきのこです。あの、場違いかもですが、左馬刻様が銃兎さんのことを「ウサちゃん」って言ってたのが凄い肝臓にきました。というか、いやもう最後ページの部分とか瞬きしてなかったですねwwとても面白かったです!!更新お疲れ様でした!! (2020年10月24日 6時) (レス) id: 2a559184c7 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - 絢さん» お楽しみいただけているようで嬉しいです!私も絢様のコメントを拝見してニヤニヤしてしまいました…!笑ありがとうございます! (2020年1月21日 22時) (レス) id: 964e945bea (このIDを非表示/違反報告)
絢(プロフ) - こんなの言うの恥ずかしいんですがめっちゃニヤニヤしてみてます (2020年1月21日 13時) (レス) id: 15b677e26e (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - shinox2さん» うわわ!私もそこお気に入りなんです〜!笑お褒めのお言葉本当に嬉しいです、ありがとうございます! (2019年10月29日 16時) (レス) id: 964e945bea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レン | 作成日時:2019年8月23日 23時