【あんスタ】不撓不屈の、心を掲げよ。(2)

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「うわぁっ」


人生で一番みっともない声が出た気がする。


男に、思いっきりぶち当たった。


痛った...くねぇな。


いや、痛いには痛いがそれほどじゃない。


ぶつかる間際に閉じた目を、開ける。


見えた色は、ここの制服の青。


あたしが当たった男のであろう手が、腰と背中に当てられているのがわかった。


尻餅をついているこの男に、上手いこと受け止められたらしい。


「痛った...ちょっとわんちゃん、女の子追いかけ回して何やってるの。嫌われるよ......って」


顔を上げると見えたその顔は、階段の上を見たがら言葉を発した。


その後あたしの顔を見て、紡いでいた言葉を止めた。


「君......誰？」


「は、ぁ？」


てめぇこそ誰だよ。


それは心の中にしまいつつ、"あんた、あたしを知らないのか？"と問う。


色んな意味で、色んな意味で有名だぞアイドル科じゃ。


それなのにこいつは知らないのか。


「見たことない顔だけど...普通科の子？」


「いや、違ぇけど。『プロデュース科』だ」


「そうなんだ、いつ来たの？」


「え...っと、1ヶ月くれぇ前」


待て、こいつまじであたしのこと知らねぇの？冗談......ではなさそうだな。


普通のヤツならあんずかすみれ側についてっからあたしに暴言吐くなりなんなりするはずなんだが。


何でだ...？

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