ルーツメイト 第一章 〈A〉

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恋愛はタイミングが大切

昔からよく聞くフレーズ
今なら実感を持って同感する。


「…なんで今さら」


そう。
今更なんだ

恋愛の神様は私の事が嫌いなのか








私は小学生の頃から
テヒョンに恋をしていた。


他の女の子よりも仲が良い自覚はあった

朝も放課後も話しかけられるとそれだけで嬉しくて
沢山冗談言い合って
たまにちょっと真面目な話もして
今思えば思春期独特のどうしようもない不安とか豊かな感受性
そんなのもあったんだろうけど。
私はテヒョンしか見えなかった


中学３年の夏、
テヒョンに彼女ができるまでは。


いつも放課後につるむ仲よしグループ
私とテヒョンもその中の一人で。

でもその日
テヒョンはすぐに教室を出ていったんだ
「彼女待たせてるから」って笑いながら。


ショックなんてものじゃない。
私の知らないところで
知らない年下の女の子とそんなことになってたなんて。

どうして私じゃないんだと
心のなかでは理不尽に責めて

でもそんなこと絶対に言えなくて
おめでとうって笑って

自分のバカさに涙が止まらなかった。






それでも。
それでも今、こうして友達をやっているのは

私が努力をしたからだ。

忘れる努力
テヒョンを好きな自分を無くす努力
本当にバカみたいに

でも
そこまでしてでも、
私はテヒョンの近くにいたかった。





そして人間というのは不思議なもので。

ずっと自分の心に蓋をして
何でもないと思い込んで
頭おかしくなるほど強がっていると

本当に恋心なんて無くなってしまうのだ。

あれだけ好きだったのに
異性として何も感じなくなってしまう。


高校２年でやっと。
やっと吹っ切れたっていうのに。

今とても良い関係ができたと思っていたのに。


「…テヒョンのばかあほ」


これじゃあ
頑張って頑張って吹っ切った私がバカみたいじゃない


「…今さら、そんな風に見れないよ」


一時は夢にまで見たテヒョンからの告白

今の私ではただ戸惑うばかりだ。


こんな風に
ほろ苦くも輝いていた私の夢は
呆気なくくすんでしまうなんて。

酷い話だ。








カチャカチャ

キュッ



「……」



シャワー浴びよ
そんで今日はもう寝てしまおう

うん、それが良い

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