page20 ページ21
それからというもの、全く来なかった臣さんからのLIMEが頻繁にくるようになった。想いを伝えたというのが理由だろうけど、どんな理由でも臣さんからのLIMEは嬉しい。
「Aちゃん?どうしたの、ニヤニヤして」
「李奈さん!ええっと、臣さんからLIMEが来てて」
「おお!いいじゃん!」
李奈さんにはまだ告白されたことを伝えていない。言うタイミングがなくて、どうしようかと悩んでいるところだ。伝えるのが遅くなったからといって、怒る人ではないし大丈夫だろう。
「料理の話とかMANKAIカンパニーの皆さんの話ばかりですけどね」
「いいねー!今度の冬組旗揚げ公演も行こうね!」
そのお誘いに私は大きく頷いた。冬組はどんな人が集まるんだろう。楽しみだな。そんなことを思っていると、臣さんからの返信が入る。
「ふーん、“今度、一緒に料理しよう”...か」
「ちょっと李奈さん!!」
「上手くいってるんじゃん?」
自分のことのように嬉しそうにしてくれる李奈さん。李奈さんのおかげでこの状況があるわけだから、感謝でしかない。言うなら今なんだろうか。
「李奈さん!実は、」
そう言って切り出した臣さんから告白されたという話。私はあの日の出来事の全てを李奈さんに話した。
「ええ!すご!まじで!?」
「は、はい...でも、お返事できてなくて...」
「そう...うーん、まあ焦らなくていいよ」
あれ?李奈さんなら「早く思い伝えなって!」とかいうかと思ったのに。確かに焦っても仕方ないと思っているのは事実だ。もう少し考えさせてもらおうかな。
「ゆっくり考えます」
「うん。Aちゃん、男の人との距離のことで悩んでるでしょ?」
「はい...」
「トラウマってなかなか治んないじゃん?私もわかるからさ!」
苦笑いでそういう李奈さん。李奈さんにもなにか“抱えたもの”があるのだろうか。
65人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:かりん | 作成日時:2018年5月8日 14時