青い監獄のボディーガード (ページ34)

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冴「ふん、じゃあこれをまず全て覚えろ。」
と本を顔面に向かって投げつける。
(絶対に良い子も悪い子もやらないでください。)

叶「ぶへっ、これは,,,,『猿でも分かるサッカー知識』バカにしてません？」

叶(どうみても本の題名に悪意がある。ていうか、本投げつけられた…ツンデレじゃなくてただの暴力男だこの人。)←失礼

冴「いいから、覚えろ。」
と無駄口を叩いていたら睨みを向けてきた。

それに詩乃が敵うはずもなく、
叶「はい！」
と完全にヒエラルキーが出来ていた。

しかし、これはまだ序の口だった…

冴はその間にタブレットを出し、試合を見ていた。

冴(このー番いい動きするなーー)
それから15分後

叶「覚えました。糸師さん。」
と詩乃は言った。

勿論、普通の人だとしたら、覚えるどころか読み終わってすらいないだろう。しかし、詩乃はそれをやるほどの高いポテンシャルを…まぁ天才だった。

冴「は？何言ってんだお前、あんな短時間で覚えられる訳ねぇだろ。見栄っ張りも大概にしろ。」
と厳しい口調で言う。

冴(こいつ、おちょくってんのか俺を。)
と考えてイライラし始めていた。

冴(やっぱ、引き受けなきゃ良かったぜ、こんなガキのお守りなんて。)
とあまり…というか2歳しか離れていないが。

叶「…？本当ですけど。確かめても大丈夫ですよ？」
と冴に疑われる訳がわからない、と言うように困惑しているように見えた。

冴「は？まぁいい。じゃあこれの内容を言ってみろ、順番は何でもいい」
と無理難題に近いことを言う。

冴(流石に無理言い過ぎたかもな、まぁいいか。)
全く、いや少しは気にしていたが流石糸師冴様、弟と同じで超自己チューだ。

叶「はい。まず、ーー

となる。以上です。」
詩乃は見事に文章を一文字も間違えずに言った。

その芸当は正しくーーー
天才にしか出来ないような所業。

冴「…!?お前、何者なんだよ…」
と流石に冴も予想外すぎたようで目を見開いている。

冴(コイツ、一回見ただけで覚えたのかよ、ありえねぇ…)

叶「あっそうだった…これ普通じゃないんだった。えーと、元々私＜カメラアイ＞って言って、視たものを一瞬でカメラみたいに覚えられるので。」

と詩乃が言うことは本当だが、きっと詩乃はカメラアイなんて無くてもこのくらいなら出来ただろう。

冴「成る程な…

おい、詩乃だったか？変更だ。今から俺がお前を鍛え上げてやる。」