【オリジナル】魔王伝説ー現世での日常ー (ページ2)

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巻帝の授業【一年生】ページ2

倉峰雅希は成績優秀、眉目秀麗、運動万能(？)な天才である。
巻帝は魔力の育成を養う為に造られたものの、通うのはあくまでも高校生。勉強を疎かにしているわけにもいかなかった。
ーーやばい、予習したところ間違った。
黒板を見れば、昨日勉強した範囲と全く違う項目の内容が書かれていた。
誤って最初の次の項目の内容を予習していたのだろう。
「雅希くん」
やってしまった、と言わんばかりの表情をしていると、隣の席である神菜が話しかけてきた。
MSA三班の班員である実力者だ。
「ここ、わかんないんだけど...」
巻帝の魔封科は、授業中でもわからないところを教え合って良いという制度があった。小声である限りでだ。
「あぁ、うん...ここは、」
ーーあー...予習してないからちゃんとわからん。
雅希と言えども数学は少し苦手なのである。中学時代でも95以上を取ることは少なかった。
ーーなるべく頭をフル回転させて答えを導き出すしかないか...？
高校の数学と言っても、中学校でやったことが難しくなるだけだが、元々苦手な雅希には結構な難解だった。
「まず、この関数のグラフ書いてみようか...」
「関数のグラフ...ってどう書くんだっけ？」
「この関数の頂点を求めればいいんだ。それで、こう、して書けば...x=1でy=-3になる」
二次関数のグラフの書き方はわかっていた。自信がないものの、神菜を呆れさせるわけにはいかない。何とか答えを探し出した。
「...ってなわけでこれは最小値なし。xの範囲が決まってればまた別だけどね」
「なるほど、わかった。ありがとう、雅希くん」
久々に勉強を教えたのか、頭にどっと疲れが昇る。
ーー昨日もMSAの訓練、疲れたしな...
疲れた割にはよく眠れなかった。一瞬眠気が襲ってくるが、何とか持ちこたえた。
「雅希くん...違ってたらごめん、これ最小値じゃなくて最大値なしじゃない？」
「え...」
「xが小さくなれば、yは大きくなっていくから...」
「あ、あぁー...そっか」
ーーやってしまったー...
雅希はゴン、と机に頭を打つ。その音に誰もがビクリとした。
「倉峰、くん...？」
先生も戸惑っているようだった。先生が雅希に話しかけても起きず、次の授業まで寝てしまったらしい。

♢ ♦

私の中での雅希は天才少年なんですがね、あんまりやりすぎればおもしろくないので、わざとこんな感じにしました。次は二年生の授業書いていきたいと思います、駄文読んでくださってありがとうございました！