ワンピの世界に転生した女子のよくある話 PART１ (ページ17)

今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:137,814 hit

『じゅうさん。』ページ17

カチャリ。

軽い音とともにドアのノブが回った。俺はそっとドアを押して外に出た。

『うおお。』

見渡す限り海で、なんか圧巻だった。とりあえず探検行くか。もういい。本は陸で読む。どうせ酔うだけだしな。

『やっぱでかいな…。』

甲板はたくさんの人が行き交っていて、とても忙しそうだった。邪魔になりそうだったのでそっと退散して、船の中を歩き回った。

しかし、昨日のうちにピンモフに教えてもらっていたので、確認をしただけになった。周りの人はなんだこいつみたいな顔で見てくるが、船に対する興味の方が上だったのでフル無視した。

地位が高いように見える奴には近づかないようにしつつ探検しまくっていると、途中でベビー5を見つけた。

『お、ベビー5！』

ベビー5「あ！A！どうしてここに？」

『暇なんで探検してたんだ。掃除してるのか？手伝うよ。』

ベビー5「いいの。」

『断る。泊まらせてもらってるんだから、これくらいはしねぇと。』

俺は掃除を手伝うことにして、笑いながら掃除道具を手に取った。2人で話しながらやっていたのに、いつもより早く終わったらしく、ベビー5は嬉しそうに笑ってお礼を言ってきた。

ベビー5「ありがとう！A！いつもより早く終わったわ！」

『いいよいいよ。俺も楽しかった。』

ベビー5「？…何で俺っていうの？」

『ん？何でって言われてもなぁ。幼馴染がそうだったから。』

俺が普通に理由を言うと、ベビー5はまたにっこり笑った。本気で可愛いなこの子。

ベビー5「かっこいいわね！」

『お、おう。ありがとう。』

後の6日はベビー5と過ごしてピンモフの部屋で寝るだけの毎日だった。いや、1日だけ違ったか。あれがなかったら、もっと平穏な日々を過ごせてたかもしれない。

船に乗って4日目のことだった。甲板でベビー5とのんびり話していた時、突然大きな音がして船の近くに水柱が上がった。

ドォン！！

『うわっ！？何だ！？』

ベビー5「敵襲だよ。珍しいね。最近はあんまりなかったんだけど。ここら辺にはそんなに来てないからかな？」

うーん？って首傾げてるのも可愛いけど、今それどころじゃないだろ！？

ベビー5「若様がいるんだから大丈夫だよ！若様強いから！この前も1人で船沈めてたし！」

やっぱり強いんだな。国を潰すとか言うあたりで何となく強そうだとか思ってたけど、事実なのか。

そんなことを考えている敵船が近づいてきていて、鈍い衝撃とともに船と船がぶつかった。