『じゅう。』 ページ14
『そうか。なら良かった。』
ベビー5「？」
どうやらこの船の中で自己紹介する必要はなさそうだ。こんな揺れる中で挨拶したら吐く気がする。
『ほかに子供はいるのか？』
ベビー5「うん！バッファローだよ！』
その後も色々と聞き出し、この船、いやこの海賊たちのことが分かってきた。ドンキホーテ海賊団という名前で活躍しており、少しずつ取引範囲を広げているらしい。
現在の本拠地はスパイダーマイルズという港町にあることも分かった。ここでは主要な部下をファミリーと呼んでいるらしい。
ファミリーのほとんど全員が悪魔の実を食べていて、とても強いんだとか。
同世代の子供が増えたことが嬉しいのか、ニコニコしていて、見ているこっちまで嬉しくなってしまった。
ベビー5「ご飯終わったら持っていくから、Aは気にしなくていいよ！」
『ありがとう。ベビー5。ごちそうさま。』
夕食を終えた後、ベビー5が行ってしまうとなんとなく寂しくなってしまった。
『ふぅ。船酔いはかなりマシだな…。』
取り敢えず本でも読むか、と本を手に取って俺は読書を再開した。
『うう…。』
やっぱり無理だった。
数時間で気持ちが悪くなってしまい、読書はうちやめにした。起きているのもしんどくなり、布団の中に潜って眠りについた。
目がさめると見慣れない部屋についている窓から、空が白んでいるのが見えた。
『ん…。あぁ、そうか。船に乗ってるんだった。』
眠っている間に揺れにだいぶ慣れたらしく、ほとんど揺れも酔いも感じなかった。
ただ、ズッシリとのし掛かってくるこいつは少し鬱陶しかった。
『おい、ピンモフ。いや、今は着てないのか。』
トレードマークが壁にかかっているのを見つけて、じゃあ何と呼ぼうかと考えた。
『ドフラミンゴ。邪魔。重い。ぐぇ…っ。』
おいコラてめぇ。さらに抱きしめてんじゃねぇよ。
ったく。…しょうがない。もっかい寝るか。
『…すぴー。』
もう一度起きた時には重さが消えていて、ベッドの上で1人だった。トレードマークも同じように消えているところを見ると、なんとなく寂しいような気がした。
『外の空気がすいてぇな。よし。外行くか。』
思い立ったが吉日って言うし。パーカー着てフード被っときゃアルビノってばれないだろ。
…そういえば、なんでアルビノってことを隠そうとしてるんだよ俺。別によくね？
よし、フード被るのやめよう。
偏見持ってる奴が居たら、張り倒すだけだしな。
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作者名：インドア女子 | 作成日時：2019年3月29日 22時
