三十一話目 ページ32
｢なんでだ…？どうしてここ一面凍ってる…？｣
そう言って歩いていた伏黒がカチャリと何かを踏む。
｢…何か踏んだか？｣
足を上げて見てみると、Aの特徴的な桃色の刃だった。
｢…っ！！！｣
少し視線を遠くにすると、血濡れで倒れているAを見つけた。
｢A！！！先輩、いました！！！｣
思わず叫び、直ぐに駆け寄る。
満身創痍。一言で表すなら誰だってこう言うだろう。
｢んだよ、これ、一体何が…｣
｢…！！い"く"ら"っ！！！｣
｢…嗚呼、息はしてる…！！ギリギリだがな。
恐らく肺をやられてんだろ。
とりあえずできるとこは止血だ…！
でかい傷はさすがに無理だが…！｣ﾋﾞﾘｯ
そう言って自分の袖を思いっきり引き裂き、比較的小さな傷がある脚にまきつける。
｢棘、Aの事を背負えるか？走るぞ。｣
｢し"ゃ"け"！！｣
喉を枯らしながらもAを背負う。
｢…！！(軽い…。)｣
狗巻はAの事を後輩の中で一番と言えるくらいには大切にしていた。
それは最近からではなく、出会った当初からそうだった。
両親を目の前で、呪霊に殺されて尚呪霊に情けをかけ続けるAの底の無い優しさと、呪言師の彼にも一切怯えず積極的に話しかけてくれた、慈愛に満ちたAに惹かれていたのだ。
交流会前の訓練では、Aが一人オーバーワークをしていた事も、夜更けに五条と話していたこともその内容も知っていた。
｢…っツ"ナ"｣
尚更…目が覚めたら、君を沢山褒めたい。
君の思いを少しでも抱えれる存在になりたい。
だからどうか死なないで。
そう強く祈って、狗巻は唯ひたすら走り続けた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『…！』
生きてる…？
あの人の術式で壊死した肺が、治ってる？
ゆっくり起き上がると、全身が酷く痛んだ。
うぅ…まだ完全に治ったわけじゃないのね…。
『…私、もう死んじゃうんだって思ってたわ…
生きるの…諦めちゃってた…情けないわね…。』
ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ…
｢…！！A！？起きたのね！！｣
そう言って野薔薇ちゃんが私に駆け寄ってくる。
｢家入さんのおかげで肺は治ったのよ！
でもその代わり小さい傷は甘めかもって言ってたわ！｣
『そうだったのね…家入先生には迷惑をかけちゃったわ…。』
｢そんなことないと思うけどな〜｣
『五条先生！？』
｢アンタいつの間に！？｣
｢いや〜ちょっとAに聞きたい事があるんだよね。｣
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推しが尊い！！ - 取りあえず、花の呼吸の壱ノ型桜切り 参ノ型藤の舞とかどうですか？ (2022年11月20日 9時) (
レス) @page5 id: ea3111d08d (このIDを非表示/違反報告)
小紫 - 面白くて一気に読んじゃいました！更新楽しみに待ってます！お体に気を付けてください！ (2022年2月9日 1時) (レス) @page50 id: 68aa4e53df (このIDを非表示/違反報告)
ゆとり(プロフ) - 小説読ませていただきました。何事も体が資本です。お体ご自愛ください (2021年9月30日 15時) (レス) @page50 id: 71fcf47086 (このIDを非表示/違反報告)
油性(プロフ) - syanoaさん» コメントでの訂正ありがとうございます！直しておきますね！ (2021年7月28日 23時) (レス) id: 12f7f8a1eb (このIDを非表示/違反報告)
syanoa(プロフ) - 8話の「役不足」の使い方は間違いですよ〜。「役不足」は役目が実力よりも軽いときに使うので、「力不足」が正解ですよ〜。 (2021年7月28日 21時) (レス) id: 1950b6224d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：油性ペン | 作成日時：2021年5月30日 3時
