二十話目 ページ21
｢つまり君達のボスは、今の人間と呪いの立場を逆転させたいっていうわけかな？」
「少し違う。
人間は嘘でできている。
表に出る正の感情や行動には必ず裏がある。
だが負の感情、憎悪や殺意などは偽りのない真実だ。
そこから生まれ落ちた我々呪いこそ、真に純粋な本物の…人間なのだ。
偽物は消えて然るべき。」
「でも現状、消されるのは漏瑚殿達だよ？」
「だから貴様に聞いているのだ。
我々はどうすれば呪術師に勝てる？」
「戦争の前に三つ！
条件を満たせば勝てるよ。
悟殿を戦闘不能にして、宿儺殿と悠仁殿を仲間に引き込むんだ！」
男はにこりと綺麗に笑って、金色に光る扇で口元を隠した。
「死んだのであろう？
虎杖というガキは。」
その言葉を聞いた途端、先程の笑顔はスッと冷め、パチンと扇を勢いよく閉じた。
｢それはどうだろうね？
三つ目なんだけど、Aちゃんを仲間にするんだ！
とっても優しそうで、強いんだよ！｣
次はうっとりという表情を隠しもせず、そう言った。
｢…それは貴様の私欲だろう｣
｢あれ？バレちゃった？
でも、仲間にしておいてなんの損もないと思うよー！むしろ漏瑚殿達にとって得があるんじゃないかな？｣
コロコロと表情を変えつつもヘラヘラと笑いながら言う男に、呪霊は苛立ちながらもその声に耳を傾けた。
｢…五条悟、やはり我々が束になっても殺せんか…｣
｢ヒラヒラ逃げられるか、最悪漏瑚殿達みんな祓われると思うよ？
殺すより、封印することに熱心になればいいんじゃないかい？｣
｢封印？その手立ては？｣
｢特級呪物
獄門疆を使う。｣
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
私と恵くんは、さっき岡崎正さんの保護者の方と会ってきた。
岡崎さんの元に正さんの体をもって帰れなかったことは、とっても悔しいことだわ。
何かを話すでもなく、私達は歩いていた。
ふと恵くんが口を開く。
｢Aは、呪術師としてどんな人達を助けたいんだ？｣
『…そうね〜。
出来る限り、沢山の人を助けたいと思うわ。
たとえどんな人でも…』
｢それが、悪人でもか？許し難い人間でもか？｣
恵くんの表情はずっと曇ったまま、私の方を見てくれないでいた。
『…そうね、どんな人でも生きるという権利はあると思うし、どんな人だとしても何も聞かず殺意を向けてしまうのは少しもったいない気がするの。』
｢…勿体ない？｣
さっきと表情は変わらないものの、やっと顔をあげてくれた。
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推しが尊い！！ - 取りあえず、花の呼吸の壱ノ型桜切り 参ノ型藤の舞とかどうですか？ (2022年11月20日 9時) (
レス) @page5 id: ea3111d08d (このIDを非表示/違反報告)
小紫 - 面白くて一気に読んじゃいました！更新楽しみに待ってます！お体に気を付けてください！ (2022年2月9日 1時) (レス) @page50 id: 68aa4e53df (このIDを非表示/違反報告)
ゆとり(プロフ) - 小説読ませていただきました。何事も体が資本です。お体ご自愛ください (2021年9月30日 15時) (レス) @page50 id: 71fcf47086 (このIDを非表示/違反報告)
油性(プロフ) - syanoaさん» コメントでの訂正ありがとうございます！直しておきますね！ (2021年7月28日 23時) (レス) id: 12f7f8a1eb (このIDを非表示/違反報告)
syanoa(プロフ) - 8話の「役不足」の使い方は間違いですよ〜。「役不足」は役目が実力よりも軽いときに使うので、「力不足」が正解ですよ〜。 (2021年7月28日 21時) (レス) id: 1950b6224d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：油性ペン | 作成日時：2021年5月30日 3時
