【忍たま】私は幸せを願った2 (ページ9)

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『…久々知さんは皆さんの所に行かないのですか？』

そう問いかけると彼は真剣な顔で私を見つめる。

久々知｢もう一度、笑ってみてくれない？｣

『えっ？』

突然何を言っているのだろうか。

さっき私の笑い方は下手くそだと言ったばかりだと言うのに…

『…ですが先輩方が先程言われた通り私の笑い方は下手くそだと…』

久々知｢それでもいいから、もう一度見てみたい｣

一体何を考えているのだろうか、笑っても心の中で笑われるはずだ。

けど、流石にそんな簡単なことを断る理由がない。笑うだけだ。そう、笑うだけだから…

私はゆっくりと笑みを浮かべる。

きっと笑えてる、笑えてるはずなのに
なんで、こんなに苦しいの。

笑みを浮かべる口が震えて笑顔をやめてしまいそうだ。

けど、笑わなきゃ、久々知さんに言われた通りに、笑わないと…

久々知｢もういいよ。ありがとう｣

そう言われた途端、肩の力が抜けて笑顔をやめる。

私の笑顔を見た彼は、切なそう表情を浮かべていた。

『やはり、下手、だったでしょうか…』

久々知｢そうだね。笑っているのに泣きそうな顔をしてた｣

『そう、ですか…』

私は、笑顔の仕方を忘れてしまったのだろうか。
笑う度に辛く思うのなら、相手を不安にさせる笑顔をしてしまうのなら…

『…笑うのを、やめた方がいいのかな』

つい、自分の思いが口から溢れてしまった。
口を手で抑えても、もう遅い。

久々知｢Aは、本当に笑いたくないのか？｣

『…わからないです。けど、今の私の笑い方が皆さんを不安にさせてしまうのなら、やめた方がいいと思いまして…』

久々知｢わからないのなら、やってみようよ｣

『えっ？』

久々知｢結局はみんなを不安にさせない自然な笑顔になればいいんでしょ。ならその笑い方ができるの俺も手伝うよ｣

『て、手伝う！？いや大丈夫ですから！これは個人の問題ですし！』

久々知｢お前一人で解決できそうとは思えない。それに、俺自身、Aが心から笑った顔を見てみたいだけだからさ｣

『私の、心から笑った顔を…？』