【忍たま】私は幸せを願った2 (ページ8)

今日:33 hit、昨日:18 hit、合計:49,182 hit

・ページ8

・

竹谷｢それに、無理して笑わなくてもいいぞ。お前が人見知りなのは俺達も知っている。だから無理しなくてもいいぞ｣

そう言って彼も洗濯をし始める。

『別に無理なんて…していませんよ』

鉢屋｢ならせめてまともな笑顔を作れ。私達を騙すには下手くそすぎる。六年生ならすぐに怪しまれるぞ｣

不破｢三郎、言い方ってもんがあるでしょ。けど、Aは表情が硬いから、もっと肩の力抜いたらいいと僕は思うよ｣

『肩の力を、抜く…』

久々知｢そうだな…頬を柔らかくしたら表情がまともになるんじゃないか？｣

そう言って久々知さんは冷たい手で私の頬っぺを掴みムニッと引っ張る。

『いらい…いらいです、くくひさん』

久々知｢おー意外に伸びるなぁ｣

尾浜｢え、何それ俺もやりたい！｣

そう言って久々知さんと交代して私の頬っぺを使って遊びだす。

尾浜｢うわぁ！柔らかくてめちゃくちゃ伸びる！｣

『いいらへん、やへてください！』

痛さのあまりに目に涙が溜まる。それに気づいたのか彼はパッとすぐに手を離した。

尾浜｢悪い悪い。けど、本当に柔らかいなぁお前の頬っぺ。また今度触らせてくれ｣

『…お断りします』

竹谷｢お前ら、Aの仕事の邪魔をするなよ｣

私は頬をさすり仕事の続きに取り掛かろうと桶の中にある洗濯物を取ろうとしたが、
そこにはもうなかった。

竹谷｢お前らが遊んでる間に終わらせておいた｣

『い、いつの間に…じゃなくて、すみません竹谷さん、私の仕事だったはずが…』

竹谷｢いいって。あと、三治郎の件、怪我してまで助けてくれてありがとうな。
あれは委員長代理である俺の責任でもあるから、何か困った事があったらなんでも言ってくれ｣

そう言ってニカッと明るく笑う竹谷さん。

私もこういう明るい笑顔が作れたら、いいのだろうか。みんなを安心に、できるのだろうか…

『竹谷さんの笑顔は、とても明るくて、素敵な笑顔ですね』

竹谷｢そうか？ありがとうな。
お前もそんな笑顔ができたらいいな｣

『…そうですね。努力します』

鉢屋｢ま、無理せず頑張れよ｣

不破｢じゃあ僕達は自分達の分干してくるね｣

尾浜｢ありがとうな、A｣

そう言ってみんなは自分の服を持って私に背を向き歩き出す。

しかし、何故か久々知さんだけはまだ残っていた。