【忍たま】私は幸せを願った2 (ページ45)

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『…失礼します。Aです』

立花さんと潮江さんの札がかけてある部屋の前で声をかけると、障子の向こうから「入れ」の声が聞こえ、私は障子を引いた。

『…立花さんだけなのですね』

立花｢なんだ、他の奴らもいた方が良かったか？｣

『あ、いえ、貴方だけで十分です』

私は彼と対面するように座ると、立花さんから淹れたてのお茶を渡された。

『わざわざありがとうございます』

受け取った私は軽くお茶に息を吹きかけ熱いお茶を冷ましてゆっくりと飲む。

『あ…美味しい』

立花｢それは良かった。茶菓子のおはぎもあるぞ｣

そう言っておはぎが二つのっているお皿を渡され私は受け取った。

『あの…今日は授業ある日ですよね？

授業は大丈夫なのですか？』

立花｢あぁ、色々あってい組だけ午前中の授業が無くなったんだ｣

『あ、そうですか』

そう言って私はおはぎを一口食べる。

ほろっと崩れるあまーい餡子に、モチモチとしたもち米がよくあって、凄く美味しい。

『このおはぎ美味しい…』

ポロッと感想を言うと立花さんは私の顔をじっと見たあと、ふっと突然笑いだす。

『えっ！あのっ、私、何か失礼なことをしてしまいましたか？』

立花｢いや、噂で聞いた通り食べ物が好きなのだな｣

噂！？えっなんの噂？
私がご飯が好きって言う噂が出回ってるの？

『変な噂も流れるものなのですね』

立花｢あぁ、そうだな。Aのご飯を食べる顔は癒しになるという噂など聞いたことも聞いたな｣

待ってそれどういうこと。

っと心の中でツッコミながらお茶を一口と飲む

『……それで、六年生と交流を深めたいと言っていましたが…何故貴方だけ…』

立花｢大勢で来ると怯えて逃げるだろ。

ただでさえ私1人だけでもお前が勝手に逃げるのだからな｣

うぅ…挨拶の時は怯える姿を表に出さないよう頑張ったのに…

『それは…すみません』

立花｢なのにお前は五年生や四年生をあっさり受け入れ私達より先に楽しそうにしているのを見ていたら少し腹がたったな｣

『本当にすみませんでした！』

そう言って私は勢いよく土下座した