【忍たま】私は幸せを願った2 (ページ43)

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『皆さん。いってらっしゃい』

少し大きな声で手を振りながら言うと彼らは私の方に向いて、ふっ、と笑い手を振り返してくれた。

｢いってきます｣

そう言って彼らは門をくぐって行ってしまった。

どうか、ただいまを言うために無事に帰ってきて下さい。

私はそう願いながら肩の力を抜き、ゆっくりと歩いて自室へと戻った。

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あれから三日後。

午前中、私は事務の仕事として庭の掃き掃除をしていた。

今日、五年生が帰ってくるとはいえ、少し落ち着きがないことが自分でも分かる。

五年生の方々がいない学園は少し静かなように感じていた。

小松田｢Aくん、そっち終わった？｣

『この集めた落ち葉を捨てたら終わりです。

次はどこをすればいいでしょうか？』

小松田｢もうほとんどの場所が終わってるからそれ終わったら休憩に入っていいよ～｣

『わかりました』

小松田｢Aくんが仕事をしっかりしてくれたおかげで凄く助かってるよ。ありがとうねAくん｣

『いえ、当たり前のことをしたまでです』

そう言うと小松田さんは｢じゃあ僕は他に仕事があるから｣と言って離れていった。

ほんと、小松田さんはホワホワしてるから私にとって癒しだ。

ふふっと小さく笑いながら落ち葉を集めてちりとりに入れていると、

背後から私の名前が呼ばれ、私は振り向く。

その姿を確認した私はつい喉が鳴ってしまった。

『し…潮江さんに立花さん』

立花｢挨拶以来だな｣

『そ、そうですね…あの、何か用でしょうか？』

立花｢そう怯えるな。まぁ、用があるのにはあるが先にお前から言ったらどうだ？｣

立花さんが潮江さんに向けて伝えると彼は｢わかったよ｣と言って少し前に出た。

潮江｢先日、会計の手伝いをしてくれてありがとう。そのお礼を言いに来た｣

『えっ、あ。それはわざわざどうもありがとうございます。

それに、あれは私の仕事の一つの行動でしたし、成長期である彼らが寝不足が続くのは見ていられなかったというか、ほっとけれなかったので…』

潮江｢しかし、俺は無理を承知であいつらを信じて任せたが…お前や田村の報告を聞いて無理をさせてしまったことに反省している｣