【忍たま】私は幸せを願った2 (ページ42)

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明らかに怒っているのがわかった私は小さな声で｢すみません｣と謝る。

久々知｢先輩から治るまでは安静にしてろって何度もしつこく言われたよな？｣

さっきから黙っていた久々知さんが黒いオーラをだしながら私に話しかける。

そのオーラ、怒った時の善法寺さんに似ていて、五年生の中で1番怖い。

『い、言われましたけども…

このまま何もしなかったら、体が鈍って今まで頑張ってきたのが水の泡になるのが嫌で…

ですが、走る以外は何もしていません！』

そう伝えると、久々知さんはまた深いため息を吐いた。

久々知｢わかった。けど、それでも俺は心配だから、無茶しないこと。もし痛くなったらすぐに医務室。いいな｣

『…はい』

久々知さんも過保護だった。

けど、久しぶりに目を合わせてくれたことが少し嬉しかった。

『…あの、ところで皆さん。

こんな朝早くに集まってどこか行かれるのですか？』

尾浜｢あぁ、今から校外実習で三日間、少し遠い戦の偵察の実習をしに行くんだ｣

『戦の偵察…それは大変そうですね。頑張って下さい』

鉢屋｢…それだけか？｣

『えっ…あ、はい』

そう答えると鉢屋さんはため息を吐かれる。

鉢屋｢まぁいっか。行く前にAの姿が見れただけでも十分だ｣

『あの、何を言ってるのかさっぱり…』

不破｢別に気にしなくてもいいよ。じゃあ、そろそろ行こっか。先生達は先に行って待ってるからね｣

尾浜｢そうだな。じゃA行ってくる～｣

ぞろぞろと門から出ていこうとする五年生の背中を私は見送る。

そういえば、戦の偵察だからとても危険なはずだよね。

もしかしたら流れ弾に当たる可能性も…

想像すると背筋がゾッとする。

今更だが、彼らは忍者になるために危険な場所に何度も足を運んでいるのだ。

怖い。彼らが帰ってこなくなるのを考えると、凄く怖い。

今すぐ呼び止めたい。けど、彼らの覚悟を踏みにじりにしたくない。

だから、私が今、彼らに伝えられるのは…